“処罰”と“治療”を同時に進めていくためには?

小川キャスター:
処罰と治療を同時に進めていくためには何が必要だと思われますか。

高知さん:
僕自身は医療と民間支援団体の連携で自助グループのプログラムを並行でやっていきました。そんな中で自分が生き直すためにはどういうことが必要なのか。それは過去の考え方、行動を改めることが何より大切だと思うんですね。でもそれって絶対自分1人じゃできないんですよ。

だからこそ先ゆく仲間たちにレールを敷いてもらって、新しい環境の中で自分探しをし直すことは大事だと思うんですよね。

星さん:
「刑罰を厳しくすると犯罪は増えないだろう」という発想がまだ残ってるんですよね。

支援もどうしてもNPO頼みになって、本当は諸外国のように公的機関が手を差し伸べるシステムを作らないとダメですよね。

高知さん:
薬物をやめることがゴールじゃなく、その後どういうふうに生き直していくか、そこに一番支援がほしい。でもそこに社会はすごく冷たくて、僕みたいに刑罰が終わった後に生き直そうと思っても、社会の罰も目の見えないところですごく意地悪するんですよ。そこで「やっぱりダメなのかな」と何かまた孤独を感じてしまう。

そこはお願いですから、本気で生き直そうとする人には優しい社会と何か希望の光を与えてほしいと思います。

薬物に限らず依存症全般、生きづらさを感じている人にも僕は伝えたい。「諦めるな」って。