かつては賑わっていた商店街。今では、シャッターが閉まり、使われなくなった店舗が多くあります。
このシャッターを開けようと、静岡県三島市の商店街で空き店舗を活用した芸術祭が開かれています。
11月12日、三島のまちには「三島満願芸術祭」を鑑賞しているグループの姿がありました。
「三島満願芸術祭」は、三島市内の商店街の使われなくなった3つの空き店舗を芸術で彩る催しで、11月11日から開かれています。
<空き店舗の所有者 鈴木俊昭さん(68)>
「こちらは商品でタバコなどを並べて。今はレコードを置いてありますけど」
10年前に廃業したタバコ店。
かつては、俊昭さんも家族で暮らしていた店舗兼住宅ですが、3年前に弟が亡くなってから空き店舗の状態です。
この店舗に、アーティストの辻梨絵子さんは、三島市から見た富士山を表現したビーズカーテンを掲げました。
辻さんだけではなく、市民約100人と協力して作りました。
<アーティスト 辻梨絵子さん>
「元オーナーさんのレコードがたくさんあったりとか、木の感じが普通のギャラリーみたいに白い壁でやるよりもおもしろいなと思って、ここでしたいと思った。空き家がずっと空き家のままだともったいないなと思うくらい、空き店舗のポテンシャルは高いと思う」
<空き店舗の所有者鈴木俊昭さん(68)>
「ここでやることによって、町内、三島市が活性化するのであれば、非常にうれしい。喜ばしいこと」
芸術祭の名前「満願」は、三島を舞台にした太宰治の短編小説。
芸術の力で、歴史ある三島のまちの空き店舗を生き返らせようという取り組みです。
2023年閉店した、日本料理店では、三島市の商店街の人たちが出演するムービーを上映。
商店街のシャッターを開けるため、地域一丸となって取り組んでいます。
一方、絵画の展示会場になった後藤硝子店。
かつては人形のケースなどに使われるガラスを販売していましたが2年前に廃業。
当時、使われていたガラス棚やショーケースを活かして展示しました。
<来場客>
「ガラスの店を使うと、モノもまた生き返ることもできる」
「歴史を守って、魂を入れるのはとてもいいと思います」
<芸術祭を開いた 山森達也さん>
「空き店舗の雰囲気は、今から作ろうと思っても、絶対に作れない。どこでも作れるものを作ると、三島の良さではなくて、どこの街でも同じものになってしまう。もとあるものを使うことが、三島らしさを際立たせていく」
今回、芸術祭で使用された3つの空き店舗は、芸術祭終了後、アート付き物件として貸し出しをする予定です。
三島満願芸術祭は、11月26日まで開かれています。
▼平日午後3時~午後8時▼土日午前10時~午後8時▼祝日午後1時~午後8時▼最終日(26日)のみ午前10時~午後5時
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