来年1月に台湾のトップを決める総統選挙が行われます。野党に強い影響力を持つ前の総統の馬英九氏がJNNの単独インタビューに応じ、3人が乱立する状況となっている野党系の一本化は、来週までに「必ず決まる」と語りました。
2008年から8年間、台湾総統を務めた馬英九氏。在任中に習近平国家主席と初めて会談するなど、中台関係を重視してきました。
3月には総統経験者として初めて訪中し、台湾と中国、両方の人々を「中国人」と表現し、平和を追求すべきと訴えています。
この中国との関係も大きな争点となるのが来年1月の台湾総統選ですが、現状では中国と距離を置く蔡英文総統の与党・民進党に、かつて馬・前総統が率いた国民党など複数の野党が挑む構図。野党支持が割れる可能性がありますが、馬・前総統はJNNに対し、野党は必ず一本化するとの考えを強調しました。
台湾 馬英九前総統
「11月20日には立候補者登録が始まるので、それまでには必ず(野党一本化は)決まるでしょう。まとまらなければ(与党に)勝つことは不可能だからです」
一本化に向け、世論調査を活用すべきとしていますが、この発言の裏には「危機感がある」と専門家は指摘します。
大東文化大学 野嶋剛教授
「自分が大切にしてきた国民党そのものが衰退して、もしかしたら消滅してしまうんじゃないかと。総統候補を譲ってでも、譲る可能性があってでも勝てる道を探るべきだと」
また、馬・前総統は「台湾の人々は中国の武力侵攻を懸念している」とした上で…
台湾 馬英九前総統
「もし、来年の選挙で国民党が勝利できれば、我々の(対中)政策を再開させられます」
こうした一連の発言の狙いは何なのか。
大東文化大学 野嶋剛教授
「民進党を選べば戦争になる。自分たち国民党、野党側を選べば平和が来るという、選挙戦略的な発言」
年明け、世界が注目する台湾総統選。
台湾 馬英九前総統
「(野党は)共闘しなければ与党・民進党には勝てません」
つい先ほどから馬・前総統と野党系の有力立候補予定者たちが協議を行っています。一本化に向けた山場を迎えています。
注目の記事
「地域の宝」守りたい 部活動の地域移行が活発化も…全国大会32回出場”名門”マーチングバンドも資金調達に苦戦 富山

「私、見えますか?」画面に現れた制服の男…記者が“ニセ警察官”とLINEビデオ通話で直接対決 その結末は…【後編】

忘年会「参加したい」若者4割の裏で…「行きたくない」50代の切実な理由 昭和を知る上司世代の“ハラスメント”恐怖

「風邪薬」をジュースやスポーツドリンクなどで飲んでも大丈夫? 子供にアイスを混ぜた薬をあげてもいいの?【薬剤師に確認してみた】

犯人は小6女児「妹が殺された」兄に手渡されたヤフーニュース…「この人たちには頼れない」【佐世保小6同級生殺害事件・前編】

新「映像」発見 80年の時を経てゾウの「エリー」が伝える戦争 “戦時猛獣処分” 絵本「ごめんねメリー」原画も展示 熊本【戦後80年つなぐ、つながる】












