賃金が物価の伸びに追いつかない状況が続く中、インフレ手当で従業員の生活を守ろうという企業が現れている。

愛知県豊川市のシンニチ工業は、去年12月物価の高騰から従業員の生活を守るため、パートタイムを含む57人全員に一律8万5000円のインフレ特別手当を支給した。

シンニチ工業社長 木下雄輔氏:
従業員の皆さんの給与賞与は業績上げて、十分な額を支払いしたいのですが、急激な外部環境の変化については、対応できないこともある。生活水準を維持向上できるように「インフレ手当」という形で応えていきたい。

自動車産業では、原材料や電気料金の上昇分を製品価格に上乗せする価格転嫁が進んでいて、今年の売り上げは去年と比べ10%増加。これを原資に、今年もインフレ手当の支給を予定しているという。

シンニチ工業社長 木下雄輔氏:
従業員のモチベーション上げて、自ら考え自ら創意工夫して、より社会に価値を提供できるような会社になればいいなと思っています。

11月7日に発表された実質賃金は、前年同月比で2.4%減り、18ヶ月連続のマイナスとなった。物価高に賃上げが追いつかず、消費の現場では生活防衛色が強まっている。

これを裏付けるのが9日に発表された10月の景気ウォッチャー調査。景気の現状を示す指数は49.5と、3ヶ月連続で低下した。

こうした中、プライベートブランド商品を手がける企業が売り上げを伸ばしている。
全国で200社を超える加盟スーパーにプライベートブランド商品を供給している、
シジシージャパン。手がける食品は、およそ1800種類にのぼり、去年の売上高は前年比5.3%増加している。

シジシージャパン 企画本部広報室長 菅原泰氏:
お客様の価格に対するニーズは非常に強くなっている。品質を維持しながら、より価格志向のお客様にも応えられるような商品を、力を入れて開発を進めています。

CGCの商品をナショナルブランドと比べると、マヨネーズは60円、レトルトカレーは40円ほど安くなっている。