まさに今の時期からピークを迎えるのがノロウイルスの流行。ノロウイルスは急性胃腸炎を起こすウイルスのことです。スタジオで詳しく見ていきます。

“ノロウイルス”これからピークに 感染経路は?

南波雅俊キャスター :
コロナウイルス、あるいはインフルエンザかと思いきや、ノロウイルスだったという例もあるわけなんですよね。

このノロウイルスなんですが、今まさにこれからピークを迎えていきます。11月から2月がピークです。急性胃腸炎を起こすウイルスで、症状は下痢・おう吐・発熱などです。1日~2日で回復することが多いですが、乳幼児・高齢者は重篤になる場合もあるということです。治療法は、有効なワクチンや薬などはありません。ですから、対象療法を行うしかないということなんです。

東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅先生の話では「コロナが5類になり、感染対策への意識が少し下がってきている。今年の冬はノロウイルスが流行する可能性もあるのではないか」というふうに指摘しています。

実際、神奈川県では11月6日にノロウイルス警戒情報が発令。滋賀県でも11月2日にノロウイルス食中毒注意報が発令されました。

千葉県野田市の保育所では10月、少なくとも88人がおう吐などの症状があり、ノロウイルス集団感染がありました。

では、感染経路を見ていきます。

ノロウイルスのパターンの一つとしては、「食べ物から人」に感染するパターンです。ウイルスに汚染されたカキなどの二枚貝を生や加熱不十分で食べ、食中毒になるということなんですよね。

ただ10月、福島県福島市の中華料理店で男女8人が「カキと豆苗の炒め物」を食べ、ノロウイルスによる食中毒になりましたが、「カキと豆苗の炒め物」の調理の工程では、湯通しをして炒めてもいました。

では、なぜなってしまったのかというと、中心部を85℃~90℃で90秒以上加熱すれば安全に食べられるということなんですが、中国料理の場合、強火でさっと炒めることも多いので、おそらく加熱が不十分だったのではないかということなんです。

もう一つのパターンでいくと、「人から食べ物、そして人」というパターンもあるんです。都内で実際に起きた事例です。幼稚園の餅つき大会でノロウイルスによる食中毒が136人も出ました。手洗いや用具の洗浄・消毒が不十分だったことが考えられる。「つく」「こねる」「ちぎる」、何らかの工程で汚染されていったのではないかということなんですよね。

ホラン千秋キャスター:
感染症ですので、1人がなってしまうと、そのコミュニティの中でウイルスが広がってしまうということは多々あるわけですから、「気をつけたいな」としか言えないんですけどね。

秋元里奈さん:
カキ以外でも、触ったもので感染するということだと、本当に知らないうちに感染していることがあるので、すごい当たり前のことですけど、やはり素手で触らないとか。コロナが落ち着いてきて、手袋を付ける習慣とかも減ってきてはいると思うので、改めて意識したいですね。

井上貴博キャスター:
日常生活はコロナ禍前に戻りましたが、やっぱり感染症やウイルスをめぐる環境が元通りなるのはすごい時間がかかるんでしょうね。この3年間で免疫もなくなっていますしね。