ヨーロッパを中心に活動する環境保護団体が、スペインの画家ベラスケスの作品をハンマーで叩き、表面の保護ガラスを破壊しました。

イギリスのナショナルギャラリーに展示されているベラスケスの作品「鏡のヴィーナス」をハンマーで叩き割ろうとする2人。

イギリスの環境保護団体「JustStopOil」によりますと、イギリス政府が北海での石油と天然ガス開発をめぐり、新たに100件以上の認可を事業者に与える方針を示したことへの抗議だということです。

「鏡のヴィーナス」は1914年、カナダ人の女性参政権運動家によって刃物で切り割かれた歴史があり、「JustStopOil」の活動家は、「女性は投票で参政権を獲得したわけではない。今は言葉ではなく行動の時です」と声を上げました。

警察は2人を逮捕したほか、ロンドン中心部でデモ行進をしていた同じ団体の活動家およそ100人を逮捕したと発表しています。

「JustStopOil」はこれまでもゴッホの代表作品「ひまわり」にトマトスープを投げつけるなど、過激な抗議活動を繰り返しています。