“サッカー王国”にあぐらをかいて井の中の蛙だったことは否めない

エスパルス本社の会議室に集まったのは、スタジアムを毎試合満員にすることを目的とした全社横断のプロジェクト「フルスタジアム プロジェクト」の面々。営業や広報など5つの部署からアイデアを持つ有志が集まり、新たなファンサービスを考えます。

<エスパルス 髙木純平広報部長>
「組織の中って縦割りになっているようなことって往々にしてあると思うんですけども、コミュニケーションをとることによって、みんながやりたいことが実現しやすくなっていくっていうことが、身をもって、いま、実感しています」
このプロジェクトを立ち上げたのは山室社長。就任時に感じたことがきっかけだったといいます。
<エスパルス 山室晋也社長>
「ものすごく伝統がある名門のチームだと思いますけども、また、静岡の、サッカー王国静岡というところに、私からみると、ややあぐらをかいて、井の中の蛙的な要素があったことは否めないと思います。組織の垣根を超えて同じベクトルに向かって議論していくというのが大きな狙いでした」


例えば、毎試合配られている「バースデーステッカー」。誕生月の人に記念のステッカーを渡し、スタッフや周囲から祝ってもらうというシンプルな取り組みです。

社員のアイデアから生まれた企画は、サッカーに詳しくない人たちを取り込み、ファンのすそ野を広げました。
<来場者>
「いい思い出になりました」

ほかにも、2023シーズンからナイトゲーム全試合で実施した光でスタジアムをオレンジ色に染める「ラランジャ ギャラクシア」。

スタジアムでしか食べられない選手プロデュースのメニューなど、IAIスタジアム日本平を訪れなければ体感できない演出の数々はすべて社員の発案です。

<初めて観戦に訪れた客>
Q.初めて来てみていかがでしたか?
「楽しかった。試合見てるのが楽しかった。応援もすごかった」
「入場の音がすごかった」
Q.また来たいか?
「また来たい」「また来たい」
長年、エスパルスで働く社員も手応えを感じています。

<エスパルス 石田祐理子さん(入社23年目)>
「サッカーを見るのもすごく迫力がありますけれども、それ以外の演出の部分も楽しいと思ってくださっている若い世代が増えてきたのかなと感じています」