新潟県に新たに誕生したクラフトビール。
食品ロスの解消にもつながる“おいしい”秘密に迫ります。

長岡市でしょうゆの販売などを手掛ける老舗『ホクショク』の工場で午前8時、大きな窯にお湯を張りビールのもととなる麦芽を浸していくのですが…
この工程に使う材料は、なんと『パンの耳』!

長岡市内のパン店『マルシャン』で、食パンを作るときに余分に出てしまう“パンの耳”を加工費だけで譲り受け、クラフトビールの原料となる小麦の代わりに使うことにしたのです。

【ホクショク 佐藤雅史工場長】
「パンの耳でビールは、ヨーロッパでは非常にメジャーで、歴史上では昔から当たり前のようにあった。ビールは『飲むパン』ですね」

ビールの起源は遥か昔…「硬くなったパンを瓶の中で発酵させて液体にしたもの」だったとも言われているそうです。

ホクショク 佐藤雅史工場長

ホクショクのクラフトビールは、主に大麦や小麦を原材料としていますが、この工程では、小麦の部分をすべて“パンの耳”で代用しています。その量は、500リットルのビールを造る場合には20kgほどで、年々値上がりする小麦の価格が負担となる中、提供してもらえるパンの耳に置き換えることで、数千円のコストカットにつながるということです。

パンの耳の廃棄も減り、ビール造りの費用も減る…。
今回、何倍にも“おいしい”2種類のクラフトビール(AMBERとIPA)が出来上がりました。

【記者リポート】
「IPAは、香りがすごくフルーティーでさわやかです。口当たりもよくてジューシーなので、ビール苦手かなという人でも飲みやすいと思います」
「カリッと焼いたパンの焦げ色をイメージしたというAMBERは、褐色が強くなっています。ホップの苦みや香ばしさがしっかりと感じられます」