別の日、ある男性に出会いました。地元に住む庭山進さん(86歳)です。長嶺白鳥愛護会の会長で、池に初めて白鳥が飛来した44年前から観察を続けているそうです。

【長嶺白鳥愛護会 庭山進さん(86)】「行動するときには一緒だし、休むときも(一緒で)つがいのような感じを受けますけど、そういう関係ではないですね」

実は池に残っていた2羽の白鳥は、大きい方が「オオハクチョウ」、小さい方が「コハクチョウ」で種類が異なり、夫婦でも親子でもないのだそうです。『友達』と言ったところでしょうか。

【庭山進さん】「大きい方は全く(飛べず)、泳ぐことと歩くことしかできない」

庭山さんによりますと、オオハクチョウはこの池にやってきて2年目、コハクチョウはもう6年目で、その間ずっと池にとどまっているのだとか。今は元気に見えるコハクチョウですが、来たばかりのときは左の羽をけがしていて飛べる状況ではなかったそうです。

自分だけ、けがが治り、1羽を残して帰るのが忍びなくなったのでしょうか…。去年もこの2羽で、新潟の暑い夏を乗り越えました。

【庭山進さん】「腹がいっぱいになると、こういうところ(陸)に上がって炎天下をものともせずに休んで、腹が減ると池に入って首突っ込んで草の根とかを食べて。人間よりも暑さに強い」

長嶺大池を管理する柏崎市の西山町事務所によりますと、今のところ白鳥を保護することは考えていないということで「今後も地域と連携を取りながら様子を見守っていく」としています。

【庭山さん】「『仲良く元気で』って、えさをやるたびに思いながら、声かけしながらえさをやっています。(白鳥に)『きょうも元気だな』って言って『俺も元気だ』って言って…」

柏崎市の池で仲良く静かに過ごす2羽の白鳥。「これから先も元気で!」と、応援せずにはいられません。