迎えた交流大会当日。

「意気込みは?」
「やれるだけのことはやってみようと思う。70年の集大成です」

スタメンに名を連ねた中野さんは、試合が始まるとアスリートの顔に。途中、倒されてしまう場面もありましたが…、すぐに立ち上がります。

スクラムを組んで―。
グラウンドを走って―。

交代までのおよそ6分間、楕円のボールを追い続けました。

「自分の精いっぱいをやったから、後悔することはないです。自分なりに100点満点。これでいい花道になります」

その勇姿に所属する愛媛思惑クラブの後輩たちも大いに刺激を受け、試合は見事、勝利。偉大な先輩の花道を飾りました。

愛媛思惑クラブ 大西和人さん(75)
「すごいね、これからのラグビー人生に参考になりますね。目標は中野さんみたいに90過ぎてからでもやりたいなという思いはあります」

愛媛思惑クラブ 兵頭さん(68)
「自分の足でしっかりとボールを持ってプレーができるのは鏡ですね。私生活もちゃんとしているから今までできたんじゃないかなと思います。引退はさせません(笑)迎えに行きます」

77年のラグビー人生。長年、続けてこられたのは、競技を愛する心と仲間の存在があってこそでした。

中野さん
「日々ラグビーが楽しみやった。とにかく好きということだけは間違いない、じゃなかったらこれだけ続かんよね。あとは仲間」

90歳以上の選手が着用できる栄光のゴールドパンツ。それは後輩へと受け継がれます。

「中野さんにとってラグビーってどんな存在ですか?」
「どんな存在って…、もう自分の分身ぐらいに思っとる(笑)」