発生後5日経ち訂正相次ぐ
【解説】
今回の問題の経緯は、10月25日、汚染水を処理する設備で、配管を洗浄する際、ホースが外れて、作業員5人が汚染水を浴びました。このうち2人が、病院に搬送され入院、28日に退院しました。
そして30日、問題が起きてから、5日経って、東京電力は公表した内容をいくつか訂正しました。
1つは、飛び散った汚染水の量です。当初は100ミリリットル程度としていましたが、これを数十倍の数リットルに訂正しました。ただ、正確な量は、いまも公表されていません。

そして、汚染水を浴びた作業員は、当初は「1次下請けの1社」としていましたが「3次下請けの3社」と訂正しました。

どちらも大切な情報ですが、なぜ、このような訂正が相次いだのでしょうか。
飛び散った汚染水の量について、東電は当初、床に落ちた水滴の量から、推定したということですが、聞き取りの結果、浴びたものも含めれば、数リットルになると判断したとしています。
ただ、速報とはいえ、具体的な数値を出して、実際よりもはるかに少ない量を公表したことで、事態を矮小化しようとしたのではと捉えられかねません。
何よりも、厳しく管理されているはずの原発構内で、どこの誰が、どのくらいの被害にあったのかという問題の本質的な部分について、正確な情報が公表されなかったことは非常に重いことだと思います。
東電は11月2日から、3回目の処理水放出を行う予定です。「一度のミスでも取り返しのつかない事態になる」と、漁業関係者が指摘する処理水の放出の直前のトラブルだけに、重く受け止めるべきだと思います。














