外国人旅行客のみなさんが、お寿司よりも満足感があると答えた人が多い日本のラーメン。どんなラーメンを好んで食べているのか。詳しく見ていきます。

寿司よりラーメン!? “とんこつラーメン”が外国人観光客に人気の理由は?

南波雅俊キャスター:
近年はラーメンが外国人観光客に非常に人気なんですけど、またその人気がさらに高まってきているということなんですね。

まず、外国人に人気のラーメン店(トリップアドバイザー調べ)、

1位「一蘭 渋谷店(とんこつ)」
2位「一蘭 新宿中央東口店(とんこつ)」
3位「九州じゃんがら 秋葉原本店(とんこつ)」
4位「T'sたんたん グランスタ東京店(ヴィーガンラーメン)」
5位「一風堂 銀座店(とんこつ)」

がランキング入ってます。とんこつ大人気なんですね。

なぜこんなにもとんこつが人気かというと、まず、海外スターが日本でとんこつラーメンに舌鼓ということで、6月にサッカーで活躍されました、D.ベッカム一家も来てます。5月には大人気のアーティスト・リアーナ、そして、俳優・アーティストとしても活躍するチャン・グンソクさんも来ているという、すごく影響力のある有名な方の発信もあります。

あとは、一風堂の広報担当の方に聞くと、「円安の“お得感”と口コミの影響からか、この2~3か月の間だけでも外国人客が約1割増加した」ということなんですね。

外国人観光客にとんこつラーメンを選んだワケを実際に聞いてみますと、

アイルランドからの観光客
「このような味付けの料理はアイルランドにはない。珍しいので注文した」

タイ、スペインからの観光客
「とんこつがノーマル」

アメリカからの観光客
「とんこつラーメンこそスタンダード。しょうゆは寿司につけるもの」

このような声があるわけなんです。

なぜとんこつラーメンが海外で定着したのか。新横浜ラーメン博物館によると、「一風堂」「一蘭」「味千ラーメン」など、とんこつラーメン店の海外進出が成功した。「一風堂」は100店舗以上、「一蘭」は9店舗、「味千ラーメン」はなんと600店舗以上が海外展開しているそうです。

新横浜ラーメン博物館の中野正博さんは「海外では、日本のラーメン=とんこつというイメージが定着している」と話しています。

井上貴博キャスター:
お寿司が日本食として広がっているのに、なぜラーメンがこれだけ広がっているのかっていうのはちょっと不思議ですけどね。

慶応大学特任准教授 若新雄純さん:
僕もラーメン、特にとんこつラーメンが好きなんですけど、お寿司の料理人のことを寿司職人と呼ぶじゃないすか。まさに伝統工芸に携わる人と一緒で、追求していくっていうか、そういう深さみたいなものとか。とんこつラーメンなんてものすごい長い時間煮込ませる必要があるし、あとは見た目の華美さとかじゃなくて、味の深さみたいなものをものすごい激戦を勝ち抜いてやってるわけだから、ラーメン料理人のことをもはやラーメン職人って呼ぶにふさわしい存在。その職人性みたいなものとかも、もしかして外国人にとっても魅力なんじゃないですか。

ホラン千秋キャスター:
お寿司と比べると、やっぱりラーメンは麺なので、火も通ってるし、見たことある麺料理に近いかなっていう感覚から入りやすいっていう部分はあるのかもしれないですよね。