鋳金家で人間国宝の大澤光民さんが29日亡くなり、県内関係者から惜しむ声が上がっています。
鋳金家で人間国宝の大澤光民さんが、29日午前6時8分、肺炎と心不全のため亡くなりました。82歳でした。

大澤さんは焼型鋳造の第一人者で、鋳型に銅線などの細い金属を固定し別の金属を流し込んで模様を表す技法「鋳ぐるみ法」を考案。鋳込むときに金属線が膨張したり動いたりするため、ねじれたり細くなったりし、有機的な温かみのある文様が浮かび上がる新しい作風をつくりだしました。



大澤光民さん(2020年):「見た人が、私も頑張ろうみたいな勇気をもてるようなものができたらいいなと思って」

その後、数々の賞を受賞し、2005年に人間国宝に認定されました。

50年来、活動を共にした鋳金家・般若保さん(82)はこう振り返ります。
鋳金家・般若保さん:「(焼型鋳造の)良さを若い人に残していきたいと。守るには新しいことが大事だと、考えに考えていって「鋳ぐるみ」という技法になった。努力と発想を絶えずもっとられた。今ほどになると惜しいなと思ってね。日本の金工にとっても非常に大きなマイナス」

富山県・新田知事:「日本の文化・工芸の分野全体にとっても大切な方であります。ご冥福をお祈りしたいと思います」

独自の技法を生み出し、新たな表現を追い求め続けた大澤光民さん。通夜は30日午後7時から、葬儀は31日正午から、セレモニーホール高岡で行われます。