床の上で手術 病院の危機 “患者の身体は洗剤で洗う”

2週間前、私たちの取材に応じたガザ北部に住む男性。

その後も届くメッセージからは日に日に状況が悪化していることが伝わってくる。

10月20日
「2日前から食べていません。手に入ったパンは、子どもたちにあげています」

10月21日
「飲み水に海水を使っています。とても塩辛いので、水で割っています」

10月24日
「燃料が全くありません。病院の電気もなくなれば、多くの人が死んでいくでしょう」

医療現場では懸命な治療が続いている。9歳の男の子の足を切断する手術。オペ室はもう満杯で、廊下でオペが行われた。

オベイド外科医
「器具が足りず、少ない鎮静剤で切断せざるを得なかった。麻酔医が少年の口を開けて窒息させないようにした。想像できますか? 13歳の少女が、弟の足の切断を見ながら自分の手術を待っている。これが今できるベストなのです」

ガザ最大の病院で治療を続けるアブ・シッタ医師。700床のベッドに対し、患者が1900人に上っているという。

ガッサン・アブ・シッタ医師
「消毒液の使用量を減らすために患者の身体は洗剤で洗って、怪我が化膿しないようお酢を使っている。(Q.酢ですか?)すぐ近くの店で買ってきた」

1週間前にようやく支援物資の搬入が始まったが、その量は軍事衝突前の4%にしかすぎず、全く足りないという。特に燃料はイスラエル側がハマスの手に渡ることを警戒していて、運びこめていない。

ガッサン・アブ・シッタ医師
「今は電力が危機的な状況。昨日の夜には北部の大きな病院が閉鎖された。燃料切れで治療ができなくなったから。小さな発電機で集中治療室を維持しているが、もうそれしかない。最終的にこの病院も同じ運命をたどるだろう」

停電すれば、未熟児たちの命は5分と持たないという。