イスラエルとハマスの戦闘、ガザへの空爆が激化しています。イスラエル軍は「地上部隊が作戦を拡大する」と発表しました。一方で、イスラエルには2つの民族が尊重し合い、共に暮らす村があります。そこにいる子どもたちの思いとは…。
ハマス襲撃の集落 残された爪痕

イスラエル南部の集落ベエリ。10月7日、イスラム組織ハマスの戦闘員に襲撃された。
住民は家に火を放たれ、炎や煙に耐えられず出てきたところを拉致されたり殺害されたりした。住民の約1割、100人以上が殺されたという。
この集落以外でも拉致された住民は多く、200人以上の人質が今も拘束されているという。
村瀬健介記者
「何か落書きもされていますね、ここ。これはおそらくハマスの戦闘員たちがここに襲撃した後に落書きを残していってるんだと思うんですけれども」
壁にはハマス内にある3つの部隊(カッサム旅団、アブーアリ・ムスタファ旅団、サラーヤ・アルクドス)の名前が書かれていた。少なくとも3つの部隊がこの集落を襲撃した可能性がある。

村瀬記者
「ここにも血痕があって、家の中から続いていますね、血痕が。ちょっと兵士が中に入っていきます。でもこれ、ものすごい量の血、しかもナイフなんかも転がっていますね。これが襲撃で使われたのか、あるいは自衛のためにもっていた物なのか。さらにここにはマガジンが残されていて、実弾が入ったままですね。免許証が残されています、これ被害者の方の免許証なのかもしれません」
免許証の写真は若い女性だった。リビングには住人のものなのか、大量の血だまりが残されていた。

イスラエルに住むユダヤ人たちは、今回の襲撃を第二次世界大戦当時に起きた“ナチスドイツによる虐殺と重ねて見ている”と専門家は指摘する。
慶応義塾大学(現代中東政治) 錦田愛子教授
「命を奪われて人質になったということは、イスラエル人(ユダヤ人)にとってはとても衝撃で、その衝撃をホロコーストという言葉で示している」
「ここ(イスラエル)ではせめて安心して生活をしたい、安心した暮らしの場としてイスラエルという国を保持したいという意思、気持ちはすごく強いと思う」