27日朝の長崎県内は、強い寒気の影響で局地的に「ひょう」や「あられ」が降るなど荒れた天気となりました。
この天気で家屋の屋根や農作物などに被害がでています。

けさ8時頃の長崎市。

直径2センチ近い ひょうが降り、雪のように積もりました。

九州北部地方の上空には -21度以下の強い寒気が流れ込み、局地的に積乱雲が発達して、落雷のほか ひょう や あられが降りました。

西海市ではひょうが当たった車にへこみができました

また、飲食店では、炭火焼の小屋のスレートぶきの屋根に穴が開くなどの被害が出ました。このため、屋根の張替えのため営業ができなくなりました

竹の家 松尾邦弘 代表:
「ピンポン玉ぐらいの大きいやつ、すごいのが落ちてきたので どうしようもなかったですね。これだけのものは初めて」

被害は、農作物にも及びました。

冬に収穫を控えているブロッコリーなどに被害が及んだほか、苺のハウスはひょうが突き抜け 水浸しになっていました。

大気の状態が不安定になった影響で西海市大島沖では竜巻も発生しました。

長崎地方気象台によりますと、午後4時時点で、落雷や竜巻などの激しい突風、ひょうが降るおそれはなくなったということです。

”この時期としては強い寒気”が大気を不安定に

甲斐田キャスター:
27日の荒れた天気について気象予報士の平地さんです。

平地 気象予報士:
今回は “冬のような寒気” が上空に流れ込んできた影響で、これだけ激しい現象がおこりました。
その時間帯の雨雲レーダーを見ると、27日午前9時には大村湾を中心に強い雨雲が観測されています。

赤く表示されたエリアなどでは、雨雲が発達していたということをあらわしています。
発達していたのは積乱雲とみられます。

平地気象予報士:
“発達した積乱雲”のもとでは『強い上昇流』が発生しています。
雲の上部は -40度など 気温が低い状況です。
上昇流によって上部に運ばれた氷の粒はぶつかり合って大きくなります。大きくなった氷の粒は下に落ちますが、強い上昇流で再び上部へ運ばれます。
氷の粒が何度も何度もぶつかることで、どんどん氷の粒は成長し、強い上昇流で支えきれなくなって落ちてきたものが”ひょう”なんです。

ひょう が発生するときは、強い上昇流がある発達した積乱雲があります。
積乱雲のもとでは ひょう だけでなく雷が落ちたり、竜巻などが発生したりすることもあります。
気象情報のなかで ”大気の状態が不安定”という言葉を聞いたときは、こういった激しい現象に注意が必要です。