おととし1月、県立高校の運動部の主将を務めていた、当時高校2年の男子生徒が自ら命を絶ちました。その原因は当時の顧問による日常的な叱責でした。
息子が亡くなって悲しみに暮れていた遺族。あれから2年半が経ち、ようやく前に進み始めています。

全国の学校で発生する事故や事件 子どもを亡くした遺族ら

部活中に息子が熱中症で死亡した保護者
「右手がけいれん、目が開いたまま、呼吸は死戦期呼吸、寝転がった状態で息子はこんな状態でした。うめき声をあげて『はー、はー…』と」

いじめ被害にあった当事者の妹
「当時の私は、飛び降りようとする兄の能面のような感情のない顔や、まとう空気がとてもおそろしく、兄の体を引く母の体を引くことしかできませんでした。あのときの、4人家族が3人家族になるかもしれないという恐怖は今もよく思い出します」

神戸市で開かれた「全国学校事故・事件を語る会」。
学校での事故や事件などによって子どもを亡くした遺族らが集まる集会は113回を数え、2日間でのべ150人ほどが参加しました。

沖縄からこの集会に参加した夫婦がいます。金城さとしさん(仮名)と、みかさん(仮名)です。

金城みかさん(仮名)
「自分の耳で聞いて、自分で感じないと、ここに来ないと得られない情報ってあるので。できなかったこともしっかり振り返りながら、いろんな方の知恵とかアドバイスや方法をもらって、亡くなった息子に『よく頑張ったね』って言えるような、親としてはそれぐらいしかできないので」

おととし、運動部の主将を務めていた息子は、顧問からの日常的な叱責を苦に自殺しました。

「全国学校事故・事件を語る会」は全国の遺族が個々の状況や悩みを語り、対応策を相談しあう貴重な機会でもあります。