26日の「プロ野球ドラフト会議」で、明徳義塾高校の寺地隆成(てらち・りゅうせい)選手が千葉ロッテマリーンズから5位で指名されたました。高校野球界の“名将”でもある、恩師の馬淵史郎監督が、報道陣の前で思いを語りました。

Q.寺地選手が指名されて率直な感想は?
■馬淵史郎 監督
「本人の希望がね、できれば(地元)関東の球団に…ということだったんで、本当に良かったんじゃないかと思います」

Q.決まる瞬間は監督はどちらに?
■馬淵史郎 監督
「僕は寮の方で、練習終わってテレビを見ていたんですけども。『いつ名前が出るかな』という…。こちらが予想していたのもあるんですけども、『おそらくロッテにかからなかったら、あと2球団ほどは多分、次の順番ぐらいに…』という予想はしていたんですけれども。ロッテさんが順番が先なので、そこで『(指名順位を)上げたんじゃないかな』と思います。

Q.明徳義塾での3年間で寺地選手が成長した点は?
■馬淵史郎 監督
「デビューが早かったんですけど、なかなか思うような結果が出ずに…苦しい思いをしたと思いますけど、最後にね、最後の最後になって、やっと本領を発揮したというか、いいところが出たかなとは思っています。まぁ、プロの世界は厳しいですから、こっからね、もう、あとは自分次第ですから、何とかお金の稼げる選手になってもらえたらなと思っています」

Q.寺地選手との一番の思い出は?
■馬淵史郎 監督
「明徳義塾中学でしたので、中学校のときからずっと練習を見ていたんですけども…。どっちかと言えば、グラウンドではあんまり目立つような存在じゃない。プレーじゃなくて、人間的にね。どっちかと言ったら、おとなしい方かなと思うように見ていたんですけども…。台湾=U-18ワールドカップに行って、なかなか『みんなを引っ張っていく』というか、違った面も見て『成長したな』というふうには思いました」

Q.侍ジャパンでの寺地選手の存在は監督としてどうだった?
■馬淵史郎 監督
「やっぱり、非常に良い活躍をしてくれたと思います。4番打たせたらどうかという意見もあったんですけどね。コーチ陣は。でも『一番でいった方が彼の持ち味が出るかな』と思って起用したんですけども、いい働きをしましたよね。アメリカに勝っていなかったらおそらく優勝はなかったと思うんですけど、アメリカ戦の3安打は非常に大きい3安打でした。価値のある活躍をしてくれたと思っています」

Q.寺地選手がこれからプロに行って期待できる点、伸びしろがある点は?
■馬淵史郎 監督
「彼はそんなに足も遅くないので、ユーティリティで、キャッチャー以外でも僕はできるんじゃないかと思っているんですけど、キャッチャーでポジションを取れば、本当に、プロの世界で長くやれると思うので、まずはキャッチャーでチャレンジしてもらって。…ホームランバッターじゃないし、彼もさっき言ったように『アベレージヒッター』なんでね、(プロの)スピードについていけるようになれば、成績を残せるんじゃないかというふうには思っています。キャッチャーで最初はいってもらって、キャッチャーで駄目な時にパッといつ切り替えるか、ということも大事じゃないかと思いますけども、ロッテ球団としては、おそらく『キャッチャーで』ということで指名してくれたんだと思ってるんですよ。だから『高卒でキャッチャーでいきなり試合に出る』っていうのはなかなか難しいことじゃないかと思ってるんですけど、早くキャッチャーとしてのプレーを身に付けて頑張ってもらいたいですね。明徳でのキャッチャーの経験は1年ちょっとしかないので、まだまだ伸びしろがあると思っています」

Q.寺地選手の長所・一番いいところは?
■馬淵史郎 監督
「『反対方向に強い打球が打てる』っていうことが一番の特徴じゃないかと思っているんですけれども、プロに入ってもうちょっと引っ張れるようになってくれたら、もっとアベレージ上がると思うんですけどね。反対方向に打つことを意識して打っていたわけじゃなく、『ちょっと遅れ気味で大きい打球を反対方向に打てる』っていうことが彼の持ち味だったんですけど、プロの世界行くとね、やっぱり引っ張れないとね、なかなか球速にも付いていけないと思うので、そこらあたりをプロに行って勉強してもらったらなと思っています」