富山県内を走るJR城端線と氷見線の運行主体が、利用者の減少にともない、将来的にJR西日本からあいの風とやま鉄道に変わることが決まりました。新型車両の導入やダイヤの見直し直通化など利便性向上への議論が本格化します。

JR城端線・氷見線の再構築検討会には新田富山知事や沿線4市の市長、JR西日本のほか、あいの風とやま鉄道の日吉敏幸社長が出席しました。

JR城端線と氷見線を巡っては、1987年度には4000人を超えていた輸送密度が昨年度は2000人近くに半減。

利用者数の減少が深刻な問題となっていて、利便性や活性化を図りたい沿線4市では将来的に、「あいの風とやま鉄道」に運行主体を変更することも視野に入れ協議を続けてきました。

そして23日、「あいの風とやま鉄道」が運行主体変更に向けて提示していた赤字補てんの保証や、経営移管前のレールなどの再整備など5つの条件について、JR西日本と沿線4市と県がすべて受け入れることで合意し、将来的に経営移管することが決まりました。

新田知事:「城端線・氷見線の事業主体をJR西日本からあいの風とやま鉄道に変更することとし、支援の内容と合わせて盛り込むこととしたいと思いますがよろしいでしょうか」

あいの風とやま鉄道 日吉敏幸社長:「はい」

赤字補てんについては県と沿線4市で出資や経営安定支援を行い、沿線4市以外の市町村には負担を求めないことを約束。

城端線と氷見線の直通化についてJR西日本は技術的・人的支援を全面的に行うという姿勢を示しました。

検討会では国の交付金を受けるための再構築実施計画案を、12月ごろには取りまとめる予定です。

JR西日本金沢支社・漆原健支社長:「私どもだけですと、どうしても車両を増やしたり、列車を増やしたりというのは、投資になるわけですが、投資の効果がなかなかご利用者数が減るなかで難しい線区というのは事実です」「将来にわたって城端線氷見線が地域のお役に立てるように、持続可能なものになるように議論をしていただいたと思っておりますので、それが実現できるように私どもとしても精一杯、汗をかいて参りたい」

あいの風とやま鉄道 日吉敏幸社長:「県や沿線4市のみなさんがJRにそのまま任せておけば、この先、あんまり明るい未来がないようなことであろうと判断されたんだろうと思う」「さらに利便性があがっていくことをみんなで目指して進めると」

あいの風とやま鉄道への経営移管が決まって利用者は…。

記者:「高岡には何の用事で?」
女性:「病院に行きます」「(城端線を)10年使っています」

記者:「利用者の数は?」 女性:「ちょっと減ったかな」

高校生:「氷見線から乗り継いできました。本数増やしてもらったらありがたいかなと思います」
「帰るときとか乗り遅れたら1時間とか待たんなくなるし」