8月から始まった福島第一原発から出る処理水の海洋放出をめぐって、IAEA=国際原子力機関の事務次長は「全く問題は発生していない」との考えを示しました。

福島第一原発を視察するため来日しているリディ・エブラール事務次長は、24日から行う視察に先立ち、会見を開きました。

エブラール事務次長はこれまで2回実施された処理水の海洋放出について、「うまくいった」「全く問題は発生していない」と評価しました。

また、放出の影響について「非常に細かいモニタリングのチェック・分析をしているが、あらゆる結果において、我々が測定した数値は遥かに基準を下回っていた」とし、測定値に問題はなかったと話しました。

IAEAは24日から27日にかけて、中国や韓国を含む国際専門家らによる海洋放出の安全性に関する確認を行う予定で、放出開始後、初めての調査となります。

放出期間は30年程度に及ぶ見通しですが、IAEAは「最後の一滴が放出されるまで、安全基準に合致して行われるか確認していく」としています。