本番が迫る中、会場の1つとなる別府ブルーバード劇場を下見した深川さん。当日を想定して音楽を流して機械の反応をチェック。そして手話通訳者の立ち位置を確認しました。劇場を管理する中村光さんも、イベントの趣旨に賛同して、当日を楽しみに待つ一人です。
別府ブルーバード劇場・中村光さん:
「素晴らしい取り組みですよね。別府は福祉の街だから、おもてなしの心で会場を使ってくれるのはうれしいです」
深川さん:
「当日どうなるのかっていうところは、すごく楽しみな部分と不安な部分の両方ともあるんですけど、実際に会場に来るたびに、当日喜んで楽しんでくれているお客様の姿は常に想像しています」


佐賀県出身の深川さんは、大学進学で別府にやってきました。卒業後は東京で就職しましたが、2019年に住み慣れた別府の街に帰ってきました。今回のイベントに取り組む中で、多くの人に受け入れられたのは、別府の土地柄が大きかったと話します。
誰もが楽しめる音楽フェスティバルを実現へ
深川さん:
「別府は元々、全国や世界から観光の人がたくさん来ていて、いろいろな文化が入ってきている街なので、新しい文化を受容する力がすごくあるなと感じました。別府にはパラスポーツの父と呼ばれる中村裕博士が創設した太陽の家もあります。だからこそ、耳の聞こえない人たちと一緒に楽しむっていう打ち出し方をしても、ちゃんと受け入れてもらえて、それが普通に自然な形で『いいね』ってみんなに思ってもらえたのはすごく嬉しかったです」

多くの人の支えがあったから主催者としてここまでやって来れたと話す深川さん。開催まで1週間を切る中、関係者と最終的な調整をして、ベストな状態で当日を迎えたいと意気込みます。
深川さん:
「耳が聞こえる、聞こえないに関係なく音楽フェスを楽しんでもらえるっていうところが伝わっていったらいいなと思います。そしてこの取り組みが他のフェスを企画してる人たちに伝わって、他の地方や世界に広がっていってくれたら嬉しいなって思います」
誰もが楽しめる音楽フェスの実現へー深川さんの挑戦が今、花開こうとしています。