またライブ会場にモニターを設置し、アーティストの歌詞を表示させるほか、曲と曲の間のMCについても自動で書き起こしされた文字が映し出されます。イベントでは音楽ライブだけでなく、街中の商店街では飲食ブースも出店されます。
聴覚障害のある人に街歩きも楽しんでもらおうと取り組む中で、深川さんの大きな支えとなっているのが友人の芦刈拓志さんです。大分県立別府支援学校で事務職員として働いている芦刈さんは耳に障害があり、文字起こしアプリや筆談で会話をしながら、聴覚障害者の目線でアドバイスを行います。

大学生の時の学園祭で初めてライブに参加した芦刈さん。音は聞こえず、何を言っているかは分かりませんでしたが、会場の雰囲気に入れて楽しかった記憶があるといいます。芦刈さんは準備から携わってきた「聴覚障害のある人も楽しめる音楽フェス」に大きな期待を寄せています。
「聞こえない、聞こえるは関係ない」
芦刈さん:
「音楽は聞こえない人と無縁だと思っていたけど、深川さんは『聞こえない人も聞こえる人も一緒に楽しんでいきましょう』という気持ちが強く、それが伝わってきて嬉しかったです。音楽を見て楽しむことができるかもしれないと楽しみです」
8月に知り合ったばかりの2人。短い期間の中、互いに意見を出しながら「音楽フェス」と「聴覚障害」というテーマの両立に取り組んできました。全国でも異例の試みとなる中、芦刈さんは今回の挑戦に大きな意義を感じています。

芦刈さん:
「聞こえない、聞こえる関係なく楽しめるといいと思っています。『できないから』ではなくて『できないからチャレンジすることが大事』だと思っています。深川さんと一緒に聞こえない、聞こえるに関係なく、みんなが楽しめるように頑張っていきたいと思います」