アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長は、アメリカの物価上昇率について「まだ高すぎる」と指摘し、今後、追加の利上げを行う可能性を改めて示しました。

FRBのパウエル議長は19日に講演し、このところ物価上昇の勢いが落ち着きを見せていることについて「物価上昇率が低下しているという確信を得るための始まりに過ぎない」と指摘。現在の物価上昇率は「まだ高すぎる」として、今後、追加の利上げを行う可能性を改めて示しました。

市場ではFRBが「利上げを終結した」との観測も出ていましたが、経済成長率が高止まりして物価が上昇する可能性がある場合などには「追加の金融引き締めが正当化されうる」と説明しています。

一方でパウエル議長は今後の政策運営について、経済指標を見極めながら慎重に進める考えも改めて強調していて、市場では今月31日から開く次回のFOMC=連邦公開市場委員会での利上げは見送られるという見方が強くなっています。