5年前に10日余りで5人が立て続けに死亡

下ノ廊下では5年前、10日余りで40代から70代の男女5人が立て続けに亡くなる事故もありました。それだけでなく毎年、事故が起きているのです。なぜ死亡事故が多いのでしょうか?

阿曽原温泉小屋 佐々木泉代表:「黒部にけがなし。落ちたら死ぬということ。5年前には11日間に5人死んだかな。ありえないくらいの…。落ちれば死ぬところ。そんなところばっかりなんよ。どこで落ちても木がいっぱい生えているところでもひところがりしたら、ちょっと落ちたらその下は断崖絶壁になっている。落ちたら止まらないところなの。そんなところを歩くには体力と持続した集中力をもって入ってきてもらわないと​

ちょっとした不注意や集中力の欠如が命取りになりかねないと佐々木代表は言います。今回は登山ツアーの最中の事故でしたが…。

阿曽原温泉小屋 佐々木泉代表:「ある程度、この人は下ノ廊下に連れ来ても大丈夫か条件で連れてきているはず。ツアー会社といっても全くのド素人を連れてくるわけない。今回事故を起こしたツアー会社は割としっかりしたところだと個人的には思っている。ガイドもしっかりしているし、添乗員もつれて、人数もそんなに多くない。今回は7人、お客さんは5人。見ていた人間によると、何かにつまづいたみたいで、そのまま落ちていかれてしまったと。反射神経と長時間歩く体力がないからそうなるのであって。元気な70代はもちろんいるが、その日の体調、行程を考えてほしい。助けてもらおうと思ってツアーに参加するのは止めてほしい。どうしても歩きたいならお金を払ってでも、プライベートガイドを雇って、荷物を持ってもらって来たらいい」

佐々木代表が聞いた、ツアーの参加者らの話によると、木村さんは「つまづいて、そのまま転落してしまった」とのことです。

“黒部に怪我なし”

黒部峡谷に行く方は、その“美しさ”を楽しみながらも、“険しさ”に対しては、十分注意して行動してください。富山県警は、余裕を持った計画で登山をするようよびかけています。