雨が降りしきる中、サバイバルレースとなったMGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ、10月15日)。パリ五輪マラソン日本代表の座を、優勝という最高の形でつかみとったニューヒーロー小山直城(27、Honda)とニューヒロイン鈴木優花(24、第一生命グループ)にレース後、高橋尚子さんが話を聞いた。

高橋尚子:今一番したいことは?
小山直城:1回寝たいです(笑)。
鈴木優花:食べたいものをたくさん食べたいです。フレンチトーストをたらふく食べたいなと思います(笑)。

高橋:どんな思いでスタートラインに立ったのでしょうか?
小山:一発勝負という事で、誰が勝つか分からない。自分にもチャンスがあると思いながらスタートラインに立ちました。
鈴木:しっかり準備してきたから大丈夫、よし行くぞ!って言ってスタートラインに立ちました。

高橋:アピールポイントを教えて下さい。
小山:自分のアピールポイントは安定感です。練習をけが無く計画的にできることが強みです。これを試合に繋げることができて、ほぼ試合で外すことがないので。
鈴木:冷静にしっかりと周りを見て判断して、でも最後はもう大胆に行くところは行くっていうレースが、自分の光る所というふうに思っています。

高橋:本当に夢に見たオリンピックを手にした瞬間の思いを聞かせて下さい。
鈴木:たくさん背中を押してくれた人たちの顔が一気に浮かんできました。だから涙が止まらなくて、ここ最近涙腺がちょっと弱くて、本当にたくさん嬉し涙を流したなって。
小山:私は、オリンピックに行ける!っていう事と、これで1回休めるって事(笑)。
高橋:やっぱりここまでの練習は辛かったですか?
小山:そうですね、あんまり休める機会が少なかったので、これで休めるっていうのは大きいです。
高橋:今27歳、年齢的にも一番いい時期にオリンピック出場。自分としては?
小山:年齢的にも一番いい時期で(代表内定を)獲得できたことは運でもありますし、嬉しいです。オリンピックはテレビで見ていたものなので、実際そこで走れるのは楽しみです。

高橋:改めてオリンピックへの思い、そして目標を教えてください。
小山:私自身、初めてのオリンピックとなりますが、自信を持ってスタートラインに立てるように継続して練習をし、オリンピックでは8位入賞を目指して頑張ります。
鈴木:まだまだ世界のスタートラインに立ったばかりなので、この先も見据えつつ、できる限りの準備をして、精一杯走り抜きたいと思います。その先の世界選手権(東京世界陸上2025)もそうですし、(28年の)ロサンゼルス五輪もそうですし、もうどの世界大会でもしっかりと世界と戦いたいという思いでいます。

小山選手と鈴木選手

そして夢を掴んだ2人に、シドニー五輪金メダリストの高橋さんからエールが。

高橋:オリンピックは100%で向かうのには非常に難しい舞台。注目をされる、期待もされる、自分の自由もなくなってくる中で、100 からどんどん削がれていく事の方が多くなってきます。100で走ろう!全部出し切ろう!というふうに無理に思わない方がいいのかなって。その代わり、先ほどの安定感といったもの。自分が悪くてもちゃんとこのぐらいで走れる、良ければもっと走れるっていうような土台をしっかり上げて、8割でも戦えるぐらいの気持ちで、スタートラインに並ぶぐらいの状態で迎えられるのが一番いいのかな。何よりも、小山さんが先ほどおっしゃったように、全部やってきた事はやってきたっていうように、そのスタートラインに後悔なく向ける事ができれば、どんな結果も受け入れられると思うので、そういった形になれるよう、けがをしないように。そして自分を信じて頑張ってください。できます!行けます!上り調子のお 2 人なんで、この勢いに乗ってどんどん上を目指してほしいなと思います!

■小山 直城(こやま・なおき)
1996年5月12日生まれ。埼玉県出身。Honda所属。今回がマラソン5回目。自己ベストは今年7月のゴールドコーストマラソンの2時間07分40秒(1位)。

■鈴木 優花(すずき・ゆうか)
1999年9月14日生まれ。秋田県出身。第一生命グループ所属。今回がマラソン3回目。自己ベストは22年の名古屋ウィメンズマラソンの2時間25分02秒(5位)。