ウクライナ侵攻を続けるロシア軍は東部で攻勢を強めていて、ウクライナ側は拠点が包囲されることへの危機感を示しています。一方、プーチン大統領は戦線でロシア軍が有利な状況になっていると強調しました。

ロシア軍はウクライナ東部ドネツク州の拠点の一つアウディイウカへの攻勢を強めていて、地元市長はウクライナメディアに対し、「敵は街を包囲しようとしている」と危機感を示しました。市長は“ロシア軍が年末までにドネツク州全域の掌握を狙っている”との見方を示しています。

また、ウクライナ陸軍のシルスキー司令官はハルキウ州クピャンシクからドネツク州リマンにかけての戦線が「ここ数日で著しく悪化している」とし、“ロシア軍がクピャンシク包囲を狙っている”と指摘しました。

一方、プーチン大統領は15日に公開された国営テレビのインタビューでウクライナ軍の反転攻勢について「停滞しているとされていたが、完全に失敗した」と主張。そのうえでアウディイウカやクピャンシクなどの地名を挙げて「われわれの軍はほぼすべての地域で陣地を持ち直している」と述べ、ロシア軍が有利な状況になっていると強調しました。