24時間以内の“110万人”退避ができるのか

山本キャスター:
本当に悲痛な叫びです。

須賀川記者:
そうですね。私が今いるところは、(境界から)約6キロ離れたところです。

私の足元を見ると、いわゆるキャタピラー、戦車や歩兵戦闘車といった軍用の車両がこのあたりにたくさん走行していたのがよく分かると思います。

ここには、現地時間12日、大量の車両が並んでいたんですけれども、それが全部なくなっています。

私の方角から見て正面、カメラマンの後ろの方ですが、軍の方に「撮影するな」と言われたので撮影できないんですけれども、私の向いている正面がガザの方向になります。

ここにあった車両が全部なくなった。なので着々と、地上侵攻に向けて準備が進められているものとみられます。

山本キャスター:
緊張感が高まっているということは分かりますが、そのガザの市民110万人、24時間以内に退避するというのは、現実的には難しいようにも感じます。

須賀川記者:
110万人というと、広島市の人口が120万人ぐらいなんですよね。その広島市全体がすぐ避難するために、道路があるのかということになります。

ガザにはこれまで6000発の爆弾が落とされています。凄まじい量の爆弾ですね。しかも、これが一つ一つが小さいわけではなく、かなり大きなもの。そして、最近にいたっては、いわゆる無差別攻撃に等しい無誘導爆弾も落とされています。そうすると、当然、道路状況もめちゃくちゃで、通ることもできない。

さらに今、燃料もなくなってきています。どういうことかというと、110万人が24時間で移動することなんて、ほぼ不可能に近いわけです。

さらにもう1個。ガザの北部には大きな病院があるんですが、そこは今、けが人であふれかえっています。その人たちをどうやって運ぶことができるのか。

こう話している今も後ろで砲撃が鳴って、ガザにどんどん砲弾が撃ち込まれていますが、この大移動が果たして成立するかというと、これはもう無理なんです。

喜入キャスター:
何の意図があっての指示なんでしょうか。

須賀川記者:
私がいるところは、ガザの北部の境界に近いところです。そこにあった軍用車両がなくなっている。そして北部に向かってこれから大量の空爆がさらに行われるとみられています

なので、これは地上侵攻に向けた、大きなサインであるのではないかというふうに感じています。