アメリカで解任された下院議長の後任選びが大混乱に陥っています。共和党内で議長候補に選ばれていた下院ナンバー2のスカリス院内総務が議長選から撤退しました。

共和党 スカリス院内総務
「同僚議員に下院議長選から撤退すると伝えました」

アメリカ議会下院では先週、多数派の野党・共和党内部の対立から史上初めて下院議長が解任され空席になっていますが、共和党内で議長候補に選ばれていた下院ナンバー2のスカリス院内総務は12日、議長選から撤退すると表明しました。

共和党が11日に党内で行った投票では、▼スカリス氏が113票、▼保守強硬派の議員グループの創設メンバーであるジョーダン議員が99票を獲得し、スカリス氏を議長候補とすることを決めていました。しかし、ジョーダン氏を支持した一部の保守強硬派の議員らはスカリス氏を支持しない姿勢を変えず、スカリス氏は与野党の議席が拮抗する中で議長就任に必要な下院の過半数の票を確保できる見通しが立たないと判断しました。

アメリカ議会下院は先週、議長が解任されてから実質的に機能停止状態となっています。

バイデン政権はイスラム組織「ハマス」の攻撃を受けたイスラエルやロシアへの反転攻勢を進めるウクライナを支援するための予算措置を求めていますが、後任の議長が選ばれるまでは審議できない状態が続くことになります。