八冠制覇すると思ったのは、“投了10分前”

Q.師匠は、藤井八冠と出会って何年になります?

「出会ってからですか?えー、1年生だったはずだから、7歳とすれば14年ぐらい」

Q.どの段階で、もしかしたらこの子は“全冠制覇”するかもなって思いました?

「全冠制覇するかと思ったのは、きのう(11日)の夜8時50分ぐらいで」

Q. あ、そんなギリギリでしたか?

「そうですね。いや、全冠制覇するかなっていうのは、結構ギリギリでしたよ。タイトルをたくさん取るだろうなっていうのは思いました。まぁ八冠目に挑戦した時に、もしかしたら全冠制覇もありえるかなと思ったんですけど、確信したのは、いや、きのう(11日)の8時50分くらいです」

Q.あの段階までいかないと、そう簡単には八冠達成できない。その厳しさを師匠は肌で感じていたんですか?

「そうですね。いや、やっぱり改めて、あのタイトル戦で相手を負かしてタイトルを増やすっていうのは、 本当に難しいことだなと見ていて思いました。簡単に増やしているように見えますけども、 あれだけ対戦相手も闘志を燃やして、思いを込めて指してくるわけですから、人の勝負っていうのは、本当に素晴らしくて恐ろしいものだと思います」

Q.横綱相撲で勝って八冠になるよりも、薄氷を踏みながら逆転で勝った八冠っていうことで、 ここに何か、今後の藤井八冠をさらに成長させる意味があるような気がするんですけどね。

「そうですね、紙一重の勝利の方が学ぶものも多いでしょうし、そういった意味で藤井八冠というのは、星の上では割と余裕持って勝っているように見えますけども、毎回毎回、自分の中でテーマを持って反省して、次に生かさなければいけないという感じで捉えているので、まだずっと成長し続けると思います」