ダブルスタンダードのない世界を…
パレスチナ人の土地だった場所に、ユダヤ人が来てイスラエルを建国してから長く続くパレスチナとイスラエルの戦い。圧倒的な兵力の差は明らかで「非対称」の戦いが繰り返されて来た。毎年の双方の死傷者の数を見てもその差は歴然だ。

どうしたらこの争いは終わるのだろうか…
慶応義塾大学 田中浩一郎教授
「いま当事者となっているパレスチナ人が取り残されてはいないんだと示さないといけない。サウジとイスラエルの関係正常化からもパレスチナ問題は外されているし、ウクライナ戦争に西側はせっせと支援しているけどパレスチナにはない…トランプ政権がやったアブラハム合意(UAEなどアラブ諸国とイスラエルの国交正常化)も不十分で、周辺のことは片付けるけど根源の問題、パレスチナや占領地の問題は放置されている。これらを根源的に解決しないと平和は訪れない。使い古されている言葉だけれど、平和と土地を交換することに合意しなければいけない」

笹川平和財団 渡部恒雄上席研究員
「いまイスラエルはパレスチナに対し最も強硬な連立政権になっていて、残念ながら暴力の連鎖となっている。アメリカの存在は重要なんですが、バイデン大統領もこうなることは知らなかったわけでなくうすうす分かっていたはず。こういう事態になる前に、ニューヨークタイムスのトム・フリードマンという著名なコラムニストが、自分が書いたコラムの中で最も短いコラムだとして、イスラエルのネタニヤフ首相に宛てて、『このままでは大変なことになる』という警告を書いているんです。世界はこれを見ている。アメリカは少なくとも現状を認識しなくてはいけない」
ジャーナリスト 重信メイ氏
「世界秩序を守ることを示さないといけないと思う。ダブルスタンダードというか、ウクライナ人に占領されたから取り戻す権利があるんだったら、同じ人間であるパレスチナ人にも施療に対して抵抗することに権利を認め、世界も参加しないといけない。両方の戦争犯罪を見る。ちゃんとしたダブルスタンダードでない法に基づいた世界がなければ、パレスチナ人は自分で何かをしなければという方向に行ってしまうので、『そうでなくていいんですよ』としめさないといけないと思う」
(BS-TBS 『報道1930』10月11日放送より)