【三条市上下水道課 小山正幸課長】
「この工事にあたり十分に検討し実施したところではございますけど、結果としてこのような被害が発生してしまったということは大変申し訳なく思っております」
三条市は、公園周辺の住宅8軒で被害が発生し、そのうち4軒では建物が傾いていることを確認していて、9月末には家屋調査を実施しています。

公園周辺の住宅では工事前にも調査を行っていたので、その当時の写真と見比べて被害の一つ一つと工事との因果関係を詳しく調べるということです。
では、なぜ公園での掘削工事で地盤沈下が起きてしまったのでしょうか?
「やっぱりかな、っていうのはちょっとあったな」
住民は『地盤の弱さ』を指摘しています。
「田んぼや沼地みたいなところであれば、地盤がもう“弱い”っていうのは考えられるわけだからさ」
「ここも全部田んぼだった。鬼谷内だからね。谷内っていうのは昔からいう沼地」
1961~69年の地図を見ると、興野公園の周辺は田んぼだったことが分かります。
近隣住民や三条市などによると、地元の人はこのあたりを『鬼谷内(おにやち)』と呼んでいます。田んぼや沼地など地盤が悪いことに由来する「谷内」に“鬼”が付くほどという意味で、地盤の悪さは地元の人には知られていました。

三条市は、事前のボーリング調査や住民からの指摘で、地盤の弱さは認識していたとしてます。ただ、興野公園が大雨の浸水対策に“最大の効果”を発揮できる位置にあることから、工事を実施することを決めました。そして工事の際は、穴の埋め立て作業を早めたり、重機を振動が少ないものに変更したりと、地盤の弱さに合わせた対策をしていたといいます。
事前のボーリング調査を2か所で行い、その結果に基づいて対策を検討しましたが、想定を上回る地盤の弱さだったということです。
【三条市上下水道課 小山正幸課長】
「基本的にはその2か所で十分だったと考えていますけども、結果として局部的に非常に軟弱な部分がありこれを把握できなかった」