きのう、鳥島近海で発生した地震で、地震の規模などを特定できないまま津波が観測されたことについて、気象庁は「普通の地震ではない」との認識を示しました。通常と異なり、地震の震源や規模をこのまま決められない可能性があるとしています。

きのう午前5時25分頃に鳥島近海で発生した地震に伴い、最大60センチの津波が八丈島で観測されたのをはじめ、千葉県から鹿児島県にかけての太平洋沿岸の一部でも10センチから50センチの津波が観測されました。

気象庁はきょう、この地震の震源や規模を特定できていない理由について、観測点の少なさに加え、通常、地震が発生した際に出るP波とS波という2種類の地震波がはっきりとは確認できなかったことなどを挙げたうえで、担当者が次のように述べました。

気象庁 下山利浩 地震情報企画官
「この地域でも、津波はマグニチュード6後半ぐらい、6半ばぐらいからだと過去にもあるんですが、それよりもかなり小さいもので津波が出たというのは、かなり普通の地震ではないなと思っています。ただ、その原因は何かというのは、今のところまだわからないところです」

また、今も地震波などの解析を進めてはいるものの、地震の震源や規模について、通常の地震のようには決められない可能性があるとしています。

地震の規模などが特定できなかったため、気象庁はきのう、津波注意報を予測ではなく、津波を実際に観測してから“後追い”で発表した形ですが、この点についても気象庁の担当者は、地震の規模が決まったとしても、仮にマグニチュード5クラスの場合には通常、津波は発生しないため、予測で津波注意報を発表することはできなかっただろうとの認識を示しました。