イスラエル南部では侵入してきたハマスの戦闘員が音楽祭を襲撃、多くの犠牲者が出ていますが、JNNは、冷蔵庫に6時間半潜み、生き延びた女性から話を聞くことができました。現地で取材を続ける岡村記者がお伝えします。

イスラエル中部・テルアビブです。ガザからはおよそ70キロ離れていて、日中は時折、遠くで爆発音が聞こえましたが、夜間に空襲警報が鳴ることはなく、比較的静かな夜でした。

ガザに近いイスラエル南部の農村では6日から7日にかけて野外音楽祭が開かれていましたが、ハマスの戦闘員はこのイベントを襲撃。会場では250人以上の遺体が収容されました。

参加者の一人がJNNの取材に応じ、冷蔵庫に6時間半隠れて攻撃から逃れたと証言しました。

エリノー・ゲンバリアンさん
「私は冷蔵庫の中に隠れていて、そこら中で銃撃戦が繰り広げられています」

銃撃戦は突如として始まり、ゲンバリアンさんは当初、車の中に逃げ込もうとしましたが、燃やされていたため、大型の冷蔵庫に隠れました。中にいても銃声や悲鳴が聞こえ、隣の冷蔵庫に隠れていた女性は兵士に見つかり、殺害されたといいます。

エリノー・ゲンバリアンさん
「隣ではイスラエル人の女性が冷蔵庫を開けられ、『なぜ？なぜ？』と叫んでいるのが聞こえました。8歳の息子が孤児にならないようにと考えていました。私の父親は2歳の時に死んでしまいましたから」

6時間半後、生存者を探す声が聞こえ、ゲンバリアンさんは冷蔵庫から出ましたが、周辺には首を切断されたり服を脱がされたりした遺体もあったということです。ゲンバリアンさんは精神的なショックからメンタルケアが必要な状態です。

イスラエル、ガザ、双方で罪のない一般市民が多数犠牲となっている大規模な衝突。一刻も早い沈静化が求められています。