富山県高岡市の角田市長らがアメリカ出張をビジネスクラスに格上げした問題です。訪問団1人あたりの費用は183万円となっていますが、高岡市はその詳細を明らかにしていません。市民団体からは税金を使って行く以上、事前に詳細を明らかにすべきだという声が上がっています。

6日、高岡古城公園で行われた秋の風物詩・万葉集朗唱の会。市民らが万葉集全20巻、4516首を3日間、歌い継ぎます。オープニングセレモニーに万葉衣装を着て現われたのは…アメリカ出張のビジネスクラス問題で渦中の角田市長と中川市議会議長です。

高岡市 角田市長:「通常公務の出張として旅費支給条例に照らし、公務の内容、飛行時間や時差などを考慮してビジネスクラスとしたものであります」

問題視されているのは10月9日からのアメリカ出張で、角田市長と中川市議会議長ら4人が「ビジネスクラス」を使うことで、6人の訪問団の旅費が1人あたり183万円となり、前回11年前に訪問した際の旅費31万円の6倍となり、総額が1130万円にのぼることです。

6日のオープニングセレモニー、雨が強まる中、角田市長は万葉歌人・額田王の歌を詠みました。

角田市長の朗唱:「熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな」

この歌には、船を出そうと月を待っていると、潮の流れもよくなってきて今こそ船出をするという意味が込められています。会場にいた市民は…。

高岡市民:「今高岡市は財政難ですので、そういう意味では控えられればいいのかもしれませんけど、やっぱり行って何かそれ以上のものが成果として得られるのであれば。その成果に期待したいなと思います」

一方、高岡市は旅費183万円について詳細な内訳を明らかにしていません。これについて政務活動費の不正を追及している富山市の市民団体「市民が主人公の富山市政を作る会」は、税金を使って海外に出張する以上、透明性を高めるため事前に詳細を明らかにして183万円かかる合理的な根拠を示す必要があると話します。

角田市長らは10月9日、アメリカに向かって出発します。