ジャニーズ事務所の会見の際、特定の記者を指名しないようにする“NGリスト”が存在していたことがわかりました。会見場で一度も指名されなかった鈴木エイト氏は「腑に落ちた」と語る一方「ありえない」と指摘。事務所側は、外資系PR会社がリストを作成したとし、関与を否定しています。
記者会見で“NGリスト” 事務所側は関与否定
事務所は10月2日、ジャニー喜多川氏による性加害問題について、2回目の記者会見を都内で行い、会場には報道陣300人ほどが集まりました。

この会見について運営を任されていたPR会社が、特定の記者などを指名しないようにする“NGリスト”を作成していたことが、ジャニーズ事務所側への取材でわかりました。
ジャニーズ事務所によると、このリストは会見の2日前、PR会社が事務所に対して提示しました。
そして、その場にいた井ノ原快彦さんは「絶対に当てないとだめですよ」と告げ、PR会社側は「(会見の)前半ではなく、後半で当てるようにします」と回答したということです。

会見では、事務所側への質疑応答は、司会者が挙手をした記者を指名する形で行われましたが、実際には、何度も挙手をした記者が指名されないことに対して不満を訴える場面もありました。
事務所は「弊社の関係者は誰も関与しておりません。特定の人を当てないで欲しいなどという失礼なお願いはしておりません」などとコメントしています。

事務所は、このPR会社に「謝罪してほしい」と訴えたということですが、PR会社は「外資なので本国の許可が必要で、調整に時間がかかる」と答えたということです。
鈴木エイト氏が語る会見の様子は…
司会
「静かにお願いします。他の方に今指名しますので」
会場
「司会がちゃんと回せよ」

記者
「今日質問できなかった人もたくさんいますし、事務所に問い合わせてもお答えいただけない状況。その点はご配慮いただければと思います。そう思っている方は挙手をお願いします」
10月2日に開かれたジャニーズ事務所の会見。手を挙げ続けたのに当てられなかった記者が何人もいました。
会見に出席したジャーナリストの鈴木エイト氏。2時間ずっと手を挙げ続けていましたが、そのときの様子についてこう語っていました。

ジャーナリスト 鈴木エイト氏(10月2日放送の「news23」)
「結構早い段階で何度も手を挙げて、司会の方とも何度も目があったんですが、なぜかスルーをされてしまった」

鈴木エイト氏の名前が載っていたかは不明ですが、NGリストの存在が発覚したことについて改めて聞くと…
鈴木氏
「その中に私の名前も入っているかもしれない、入っているようだという話も聞いている。驚いたというのと同時に、当日抱いた違和感が全て回収されていく。そういうことか、と腑に落ちた」

鈴木氏
「司会者が途中で『顔が覚えられなくなってきた』とつぶやかれた。その時は、単純に一度当てた人をもう一度当てないようにというニュアンスかなと思った。顔写真付きのリストがあったということで、当てる人・当てない人の顔が混同していった、わからなくなってきたという意味であれば、そういうことだったのか、と合致した。こういった場合の会見ではまずありえない。意図的に誰かを排除しよう、自分たちに都合の悪い質問を受けないようにしようという意図がなければ、そもそも作られないと思う」

「NGリストはPR会社が作成したもので、事務所は関与していない」とするジャニーズ事務所。
「なぜスルーして会見に突入してしまったのか」「お粗末な展開」
小川彩佳キャスター:
信用回復のための会見だったはずですけれども、信用を逆に無に帰すことになってしまうような事実が明らかになった。
「特定の人を当てないでほしいという失礼なお願いをしていません」とジャニーズ事務所は説明していますが、事前にこうしたリストがあることをわかっていました。井ノ原さんは最初「ダメだ」とおっしゃったということですが。
藤森祥平キャスター:
よくわからないのが、それを受け、PR会社は「前半ではなくて後半で当てるようにします」と回答したということですが、なぜ前半と後半で分けたのか、それを許したのか。
小川キャスター:
なぜ、それをそのままスルーして会見に突入してしまったのか。こうした疑問も浮かんできます。
株式会社QuizKnock CEO 伊沢拓司さん:
裏で何か隠していたからこういう会見になったのに、その会見の裏でまた何かを隠してしまうというのは、反省していませんという意図ととられてもしょうがないですよね。
危機管理上はそのリストがあって受け取らなかったにしても、リスト通りの展開になってしまったのであれば、会見場にいた人全員が当たるように続けるとか、会見直後にリリースを出すなどとしないと、また腹を探られた時にこれが出たら大ダメージになることは目に見えているわけです。
危機管理の面で、今後も大丈夫かなと心配になってきちゃうような、お粗末な展開だと思います。

小川キャスター:
PR会社に任せた形での会見だったということも、一つ明らかになったことです。
トラウデン直美さん:
膿を出し切るはずの会見で、「やっぱりそうなのか」とがっかりされた方も多いと思いますし、実際はこういう展開になるはずではなかったんですよね、きっと。
でも事前に聞いていて、「絶対に当てないと駄目ですよ」って言っていたとはいえ、現実にそうなってしまったっていうことは、「膿を出し切るための会見なんです」ということが伝わってないんじゃないですか。会社の代表として出ているみなさんは関与していなかったと言っても、徹底できていなかったということは一番の大きな問題かなと思います。

小川キャスター:
藤森さんも会見に出ていました。
藤森キャスター:
私は質問されたので、OKリストに入っていたのかな。鋭い質問が来ないから当てられたのかと思うと、それもそれでショックです。
小川キャスター:
それも不誠実ですし、被害者のみなさんは、前向きにこの会見を捉えようとしていて、何とかここで希望を見つけようとしていた。そして、タレントのみなさんも再出発をしようとしていた。そうしたみなさんにとっても、不誠実な対応があったということになります。














