男子3000m障害は青木とサブレのマッチレースか

日本勢では男子3000m障害の青木涼真(26、Honda)にメダルが期待できる。
21年東京五輪、昨年の世界陸上オレゴンと予選を通過できなかったが、今年8月の世界陸上ブダペストは、自己記録に0.45秒に迫る8分20秒54で予選を突破。決勝も8分24秒77で14位と健闘した。今年7月のアジア選手権も優勝している。

だが今回はライバルが強力だ。
A.M.サブレ(29、インド)は世界陸上こそ予選落ちだったが、ダイヤモンドリーグ各大会で上位に入っている。7月のスウェーデン・ストックホルム大会5位、同月のポーランド・ホジュフ大会6位、9月の中国・厦門大会5位の実績は、世界で活躍していると言っていい。ホジュフで出したシーズンベストの8分11秒63は、青木を9秒近く上回る。

J.K.コエチ(28、バーレーン)は自己記録が8分09秒62と参加選手中一番の選手。しかし7年前に出した記録で、8分20秒78で走った19年シーズンを最後に8分40秒も切っていない。コエチがいきなり復活する可能性もあるが、青木とサブレの優勝争いになるのではないか。

女子100mハードルは大会2日目に予選がふた組行われた。日本からは青木益未(29、七十七銀行)と田中佑美(24、富士通)が出場し、青木が1組3位で13秒38(+2.0)、田中は2組3位で13秒10(+2.8)。

中国勢が2組とも1位を占め、1組の林 雨薇(24)は12秒79の自己新、2組吴 艷妮(26)は12秒80のセカンド記録で走った。7月のアジア選手権で寺田明日香(33、ジャパンクリエイト)と青木を破って優勝したJ.ヤラジ(24、インド)が、1組2位に13秒03で入っている。

予選の日本コンビは自己記録、シーズンベストから大きく離れたタイムだった。予選の結果を見るとメダルは難しいが、ハードル1台でも接触があればタイムが大きく変わる種目。12秒台が続出している今季の勢いを杭州でも見せられれば、日本の100mハードルはメダルに手が届く。

(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)