◆陸上競技3日目(10月1日)決勝種目◆
20:00 男子砲丸投
20:10 男子走幅跳
20:15 男子3000m障害
21:05 女子円盤投
21:20 女子1500m
21:30 男子1500m
21:45 女子七種競技800m
22:15 女子100mハードル

男子走幅跳は史上最高レベルの戦いに

アジアのレベルが過去最高になっている種目。8m48のアジア記録更新の可能性もある。以下がアジア歴代10傑で、名前の前に◎を付記した選手が今大会決勝に出場する。

1 8.48(+0.6)モハメド サルマン・アル フワルディ(サウジアラビア)2006年
2 8.47(0.0)李 金哲(中国)2014年
2 8.47(+0.7)◎王 嘉男(中国)2018年
4 8.43(+0.7)◎石 雨豪(中国)2018年
5 8.42(+1.8)◎J.A.ジョンソン(インド)2023年
6 8.41(+1.5)◎M. スリーシャンカー(インド)2023年
7 8.40(0.0)労 剣峰(中国)1997年
7 8.40(+1.5) 城山正太郎(日本)2019年
7 8.40(+0.3) ◎林 昱堂(台湾)2023年
10 8.39(-0.4) A. F.マルズーク(サウジアラビア)2006年


地元の王嘉男(27、中国)が主役になる。前回18年ジャカルタ大会の優勝者で、昨年の世界陸上オレゴン金メダリスト。国際大会の強さが特徴で、すごい記録を何度も出すタイプではないが、18年には8m47(+0.7)をマーク。アジア記録に1cmと迫っている。

今年8月の世界陸上ブダペストでも5位に入賞した。アジア大会でも王が金メダル候補の本命だ。

しかし他のアジア勢も成長が著しく、王の一強という状況ではなくなっている。
打倒・王候補の筆頭がJ.A.ジョンソン(21、インド)で、3月に8m42(+1.8)のインド新記録を跳ぶと、世界陸上でも決勝に残り11位。記録だけでの選手でないことを示した。

M.スリーシェンカー(24、インド)は、今年ジョンソンに破られたが、インド記録を21年に8m26(+0.3)、22年に8m36(+1.5)と更新してきた。今季も6月に8m41(+1.5)を跳ぶと、7月のアジア選手権(タイ・バンコク)では2位と敗れたが8m37(-1.1)を記録した。世界陸上こそ予選落ちしたが、アジア選手権が向かい風だったことを考えると、アジア記録を更新する力はありそうだ。

そしてアジア選手権で8m40(+0.3)の台湾記録をマークし、スリーシェンカーを破って優勝したのが林 昱堂(23、台湾)である。しかし世界陸上は7m45(-0.3)で予選落ち。国際大会での安定した強さはまだないが、100m10秒24(+1.0)のスピードを考えると、ノビシロは十分ある。

6回の試技ができるフィールド種目(バーを上げていく走高跳と棒高跳を除く)は、前半の試技で良い記録を出すことで、相手にプレッシャーを与え、優位に試技を進めることができる。しかし王が昨年のオレゴンで金メダルを取ったときは、最終6回目に8m36(+0.5)を跳び大逆転で優勝した。

アジア大会史上最高レベルの戦いは、最後まで目が離せない激戦となる。条件が良ければアジア人初の、8m50オーバーの跳躍が見られるかもしれない。

男子砲丸投に前回金メダリストでアジア記録保持者のトゥーアが登場

アジア記録保持者が登場するのが男子砲丸投だ。T.S.トゥール(28、インド)が今年6月に21m77と、自身が21年に出した21m49のアジア記録を更新した。シーズンベストでアジア2位は20m65のA.M.マフムード(22、バーレーン)で、1m以上の差がある。

トゥーアの金メダルが有力だが、不安材料は7月のアジア選手権に20m23で優勝した後、大きな試合に出場していないこと。アジア選手権も2回目に優勝記録を投げると、3回目以降の試技をすべてパスしている。
トゥールのコンディションが、結果を左右しそうだ。

女子円盤投ではオレゴン金メダリストの馮彬(29、中国)が注目される。今年8月の世界陸上ブダペストでも銅メダル。自己記録は昨年の世界陸上優勝時の69m12で、セカンド記録が今季の世界陸上銅メダル時の68m20。今年9月には67m41のサード記録も投げ、ダイヤモンドリーグ厦門大会に優勝した。

シーズンベストでアジア2位の姜志超(18、中国)とは7m以上の差がある。馮にアクシデントがない限り、金メダルは間違いないだろう。71m68(92年)のアジア記録更新は難しいが、66m18の大会記録は普通の気象条件なら更新するだろう。