おととしの東京パラリンピック閉会式のグランドフィナーレでも演奏した世界的ピアニスト・西川悟平(にしかわ・ごへい)さんが27日、富山市内の小学校でミニリサイタルを行いました。「奇跡の7本指ピアニスト」と称される西川さん、子どもたちに思いを語りました。
片山学園初等科で行われた特別授業。
西川悟平(にしかわ・ごへい)さん。ニューヨークにあるクラシックの殿堂・カーネギーホールで何度も演奏し、おととしには東京パラリンピックの閉会式でも演奏を披露した世界的ピアニストです。西川さんの表情豊かで美しい演奏は、右手の5本と左手の親指・人差し指2本の、「7本の指」で奏でられています。

ピアニスト 西川悟平さん:「左手の中指が曲がり始めて、あれ?ってやってるうちに右手、徐々にと言っても1年以内くらいにこうなって、2年後には完全にこんななっちゃってた」

20代半ば、ピアニストになってわずか2年たらずで神経の病気「ジストニア」を発症。脳や神経の機能異常によって無意識に筋肉が収縮し、一時はほとんどの指が思うように動かせなくなりました。

その逆境を乗り越えられたのは、幼稚園に遊びに行ったとき。
懸命なリハビリで動くようになった指5本できらきら星を演奏しました。


ピアニスト 西川悟平さん:「こうやって子どもたちの前で弾いたのね、そしたらトゥインクルトゥインクルリトルスターって歌って踊ってくれてね、最後に「きれいだったよ」って褒めてくれたの。5本指しか動かないよぉ、あぁ寂しいよ悲しいよって言ってる考え方だったらたぶん僕はピアノを諦めていたと思う。子どもたちが僕に教えてくれたの。まだ5本動く指残ってるじゃん。ゼロじゃない。ほんとだ、まだ5本残ってる「ありがとう」って思ったの」
逆境でも、夢を諦めなければきっと叶う。西川さんは夢を持つ大切さを子どもたちに伝えます。
ピアニスト 西川悟平さん:「口に出し続けてね。パラリンピックの閉会式行くんだってずっと言い続けたの。絶対無理って言われてきた僕がいろんな人の力を借りて夢をかなえてこれた」
集まった1年生から5年生165人に。西川さんの思いを、言葉と音色で伝えました。
生演奏を聴いた小学生:
「悟平さんの演奏がすごくきれいで、(私も)ピアノ習っているので、あんな感じに憧れました」
「ピアノがとてもうまくて、感動しました。あきらめなければ、誰でも夢はかなうんだなと思いました」
ピアニスト 西川悟平さん:「僕の夢はきょういた小学生の子たちが例えば「富山の学校来てくれたの30年前、あれでピアニスト目指したよとかお医者さんなったよとか、お花屋さんなったよとかそういう子たちとまた出会って、最後ちーんっていくのが僕の最大の夢です」