富山市の県総合運動公園に整備計画中の富山県武道館について。富山県が行ったパブリックコメントでは立地に関する意見が88件と最も多くなりました。このうち、ほかの場所を支持、要望する意見が4割を超えることがチューリップテレビの調べで分かりました。

富山県武道館は当初、富山駅東側の民有地に建設予定でしたが、資材価格の高騰で建設費が上振れしたため、五福公園と県総合運動公園を加えた3つの候補地から選定しなおし、用地買収の必要がない県総合運動公園が選ばれました。

県のパブリックコメントは8月1日から18日に行われ187件の意見が寄せられました。このうち、立地に関する意見が最も多い88件で、チューリップテレビの調べでは県総合運動公園を支持する意見が47件、富山駅付近や五福公園を支持またはほかの候補地を要望するなどの意見が41件でした。

県総合運動公園を支持する意見には「全国レベルの大会を考慮すると富山インターチェンジから近く、駐車場を多く確保できる」「北信越各県からのアクセスが良い」「無料で多くの車が駐車できる」といった車移動の利便性の良さや駐車場の広さが理由として目立ちました。

また「剣道競技者は自動車による防具の持ち運びが必要」「スポーツ施設が集中している新保地区がベスト」といった意見もありました。

一方、反対意見では「公共施設は駅などのアクセスしやすい場所であることに意義がある」「普段練習に使用している武道団体は撤退・規模縮小を余儀なくされる」「学生は親の送迎が必須となる」といった公共交通によるアクセスの悪さを指摘する意見が目立ちました。

また「遠方から参加する大会が連日開催される場合、宿泊施設が多い駅付近に利便性を感じる」「予算の都合で建設場所が変わり、新たな県武道館を建設すること自体が目的となっている」といった声があったほか、ほかの候補地としてアルペンスタジアム周辺や射水市の太閤山ランドを要望する意見もありました。

富山県は武道館の整備にあたり公共交通機関と連携し、利便性の向上を検討するとしていて、基本設計の予算案は9月29日の県議会本会議で採決されます。