実は犬じゃなかった!
記者
「こま犬ってそもそも何ですか?」

藤井さん
「みなさんイヌイヌって言いよるから、あの…ここ掘れワンワンのイヌと思うちょるかもしれのんじゃけど、実際はね、どちらかと言うとネコに近い、大元たどったらライオンじゃからね」

こま犬とは、神様などを守る空想上の守護獣。力を欲したエジプトの王様が、百獣の王・ライオンをモチーフにしたものを飾るようになり…シルクロードを経て中国へ。その後、日本にも伝わったのが起源とされます。

しかし、日本では向かって右側が獅子、左側がこま犬となり、今では総じてこま犬と呼ばれるようになりました。参道に設けられた中では、県内最古といわれるこま犬がいる、周南市の周方神社を案内してもらいました。そのこま犬がこちら。

藤井さん
「古いこま犬さんって、細かい細工を手を抜くことなく、作ってますよ。この辺の毛並みとかね、これ結構、こま犬としては小さいんよ、サイズ的にはね。でもこの毛並みとかこの表情の1つ1つとか、本当に緻密に細かく作ってらっしゃいます」
こま犬の楽しみ方は十人十色
大阪で作られ、江戸時代の元禄15年に海を渡って山口に来たそうです。こま犬の見方は人それぞれ。鼻やしっぽ、筋肉の形…マニアごとにおすすめポイントがあるんだとか。藤井代表は…
藤井さん
「こま犬さんが見てきた視線、あの辺りがどういう風に景色が変わってきたんかのとか、そういうのを想像する、どちらかというと私は頭の中で妄想じゃね」
瀬戸内側では、向かって右側の口を開いているのがオス、左側の口を閉じて角を生やしているのがメスなんですが、日本海側では逆なんだそうです。夫婦のような会話を想像するのがおすすめといいます。
藤井さん
「改めて見ていただいたら、その違いが分かってくると思います。『みんな違ってみんないい』で、ぜひこま犬、神社を訪れて味わっていただきたいですね」
イキコさん、VTR見ていかがでしたか?
奥野アナ
「知らなかったことばかりですよ。こま犬ってオスとメスって決まってるんですね。
永岡克也アナ
「ちなみに奥野さんの出身の大阪では性別が決まっているものが3割で、山口では7割くらい性別が決まっているという、そういう違いもあるようですよ」
奥野アナ
「地域によっても全然違うんですね」
地域・年代ごとに特徴はさまざま
では、地域ごとの特徴について見ていきましょう。
藤井さん
「大きな9つの分類の中で、なおかつ年代で形が変わってくるんですよ。本当、沼です」

藤井代表のまとめでは、このように出身地別に分かれています。

例えば、県内でいち早くこま犬が登場した徳山では、全国的にも珍しいという天を仰ぐ姿、扇のように広がった鼻、野性的な雰囲気などの特徴があります。一方下関では、小顔でスマートな姿が多いんだそうです。萩では向かって左側は右前足で玉をおさえ右側は玉をくわえているのが多いという特徴もあります。
藤井さん
「各地でその地域の石工のイメージで作りあげた姿というものがこま犬なんです。だからあくまでもこれ…こま犬って空想の動物だからいかように作っても、間違いではない。だから、ぶさいくだろうが、かわいくなかろうが、でもそれはそれで石工にとっては、石工の中の頭で描いたこま犬の姿やからね」
ちょっとマニアックな内容となりましたが…知れば知るほど深いのがこま犬の世界ということです。














