秋田県はツキノワグマによる人身事故が、記録が残る昭和54 年度以降最多となっていることから、25日、「ツキノワグマ出没警報」の発令期間の延長を決めました。一層の警戒を呼び掛けています。この秋はブナの実が「大凶作」と予測されていて、クマの行動範囲が広がることも懸念されています。
※画像は秋田県自然保護課作成資料より

5月11日に出された秋田県の「クマ出没警報」は、期間が9月30日までとなっていましたが、10月31日までに延長されました。対象は県内全域です。

今年度の秋田県内のクマによる人身被害は、9月24日現在で25件25人に上ります。
25件のうち20件が集落、農地、その周辺といった人の生活圏で起きていて、農作業や散歩中の事故が多くなっています。
また鈴やラジオによる音出しなどの対策を講じていないケースが多いということです。

県内では今年、9月19日までに過去最高ペースとなる590頭のクマを駆除したということですが、出没は続いていて、県は「いつでも、どこでも、誰でもクマに遭遇するリスクがある」と、次のような対策を呼びかけています。

○基本対策
・できるだけ複数で行動し、鈴やラジオなどで音を立てて、人の存在をアピールしながら行動し、クマとの鉢合わせを避ける。
・クマを目撃した時は、市町村に連絡するとともに、地域で情報共有する。
・米ぬか、生ごみ、廃棄作物、家畜飼料などを屋外に放置しない、採らないカキ等放任果樹は伐採・除去する。
・農地や家の周囲のやぶは刈払い、見通しをよくする。
・クマが食べるものを作付けしている農地・果樹園、養蜂園は電気柵で囲い、クマに食べさせない・通わせない。

○出会ってしまった場合の対策
・クマスプレー:やぶ近くで農作業をするときやクリ拾いに行くときなどに携行する。襲われそうになったらクマに向かって一気に噴射する。
・顔と頭を守る:避難先や武器が無い、クマスプレーの噴射が間に合わないなどの場合、とにかく顔と頭を守る。腕で頭をかばい、顔を伏せることで、顔の大ケガや致命傷を防ぐ。