なぜJrラグビークラブを立ち上げるのか
そんな辻井さんに監督就任を要請するなど、中学生のクラブ創設を中心になって進めてきたのが、地元出身のラガーマン、松江章嘉(あきよし)さんです。

地元の北条少年ラグビースクールでコーチを務める松江さん。小学生たちにクラブ発足の話を初めて伝えたのは、今年2月のことでした。
松江章嘉さん
「2023年の4月から『Jrラグビー』を立ち上げようと思います。なぜこれを立ち上げるかと言うと、みんなにいい環境でラグビーをやってもらいたいからです」
松江さんは、小学生スクールで50人ものメンバーを指導しながらも、中学生の受け皿が限られていることが気になっていたといいます。
松江章嘉さん
「北条ラグビースクールは、北条地区の人間だけではなくて愛媛県各地から受け入れていて、そういう子どもたちもいっぱいいたので、やはりその子らが中学生になってもラグビーができる環境を…という思いでずっと考えていました」

去年5月1日現在、愛媛県内の中学校数は、国公立・私立合わせて132校。このうちラグビー部があるのは、公立では松山市内のわずか4校。私立では愛光の1校のみです。
また、現在活動中の中学生クラブチームも、宇摩ジュニア(四国中央)、愛媛ジュニア(松山圏域)、小松ジュニア(西条)と地域が限られ、南予地方には活動拠点が無いのが現状です。
こうした中、今年度から国が、教諭の働き方改革を念頭に段階的に進める部活動の地域移行を見据えて新たに発足した、北条Jrラグビーフットボールクラブ。現在、週4日活動し、辻井監督がほとばしるラグビー愛を中学生に伝え始めていますが、その原動力には、指導者の道を歩み始めて以来、向き合い続けてきた課題もありました。
“高校生のラグビー離れ”です。