初の世界選手権を終えて

Q.準決勝で自己ベストを更新して、決勝では8位入賞しました。その結果をどのように受け止めていますか？
小方：やっぱり決勝でベストを出したかったなっていうのが一番なんですけど。結果的に準決勝から0.8秒ぐらい落として、決勝は8位で終わるという結果だったので、準決勝が終わって決勝に残れたっていうだけで、もう自分で満足しちゃったなっていうのが、ちょっと反省点です。そこで満足しなければ、もうちょっと結果は変わってきたのかなって。

Q.準決勝で自己ベストを出した要因は。
小方：もう予選から体の動きが良くて、朝一から身体を作ってたので、やっぱり自分の感覚も良かったですし、（自分の組の）2組目がすごい速かったんですよ。あの組で泳げたっていうことがすごいよかったのかなと思ってて。隣にダンカン・スコット選手がいて、隣にカーソン・フォスター選手がいて、それぞれどういうレースをするかっていうのは、今まで結構海外の選手のレースを見てて、しっかり自分の中で分析してました。隣のカーソン・フォスター選手が前半いっても、「この差なら別に大丈夫だ」みたいな落ち着きはあったので、そこがベストが出た要因だと思います。

Q.決勝の舞台で憧れの瀬戸選手と一緒に舞台に上がりました。
小方：レースが終わってから大也さんとご飯に行く機会があって、「福岡の日本開催で2枚残れたっていうのはすごいでかいことだぞ」と言ってくれて、すごい嬉しかったです。※瀬戸大也は200m個人メドレーで6位入賞

Q.世界を相手に、自分のこの部分が通用する、武器だなというところは？
小方：やっぱり後半の平泳ぎからクロールの泳ぎ方がうまいなとは自分でも思ってて、最後の最後まで15mを過ぎてからもそこからもう一段階ギアを上げているところが、自分の強さかなと思います。

Q.逆に差を感じた部分は？
小方：やっぱり前半の部分ですね。レオン・マルシャン選手とか、カーソン・フォスター選手に比べると、やっぱ2秒ぐらい前半で違ってくるので、そこで離されちゃうとちょっと来年のパリでは戦えないのかなと思ってます。

Q.強化ポイント、課題と感じだと感じるところは？
小方：比較的いつものレースより世界選手権の準決勝のレースは、バタフライで結構攻めていったんですけど。バック（背泳ぎ）でちょっと泳ぎが硬くなって、予選からラップを0.2、3秒落としちゃったんで・・・そこの背泳ぎの泳ぎ方っていうのは、まだ自分の中で完成してないなっていうのは感じていますね。

Q.400mの方では瀬戸選手が銅メダルを獲りました。その姿を見ててどう感じましたか？
小方：やっぱり地元の福岡で、メダルを取れたっていうことは、相当なメンタルとか、気持ちが整っていないとなかなかできないことなんじゃないかなと。でもやっぱりそこに立てなかった自分も悔しいですし、やっぱりこれから頑張ろうと思ってます。

アジア大会に向けて

Q.そしてこれからアジア大会があり、パリ五輪に向けてというところなんですけど、改めてライバル、この選手に勝ちたいなと思う選手っていらっしゃいますか？小方：汪順選手と瀬戸選手にやっぱり勝ちたいなって。もうずっと思ってます。

Q.憧れの選手ですけど、やっぱ勝ちたいっていう意識は強いんですか？
小方：そうですね、ずっと憧れ続けてきて、やっと足がつかめるところにきたっていうか、そういう感覚は自分の中にあって。（WBCの決勝前に言っていた）大谷選手の“憧れを捨てて試合に挑む”っていうのがすごい自分の中で響いていて・・・やっぱり僕も瀬戸さんに憧れてきた分、そこで自分が瀬戸さんに勝って、自分が代表に入ったりとか。ちょっと欲を言えば、世界水泳も勝ちたかったんですけど、そこはアジア大会のお預けっていうことで、アジア大会はとにかく瀬戸さんへの憧れを捨てた状態で、勝ちにいきたいなと思います。

Q.アジア大会で個人として目指す目標っていうか、具体的な目標って何がありますか？
小方：汪順選手がどこまで上げてくるのかわからないですけど、56秒前半を出して、瀬戸さんに勝ちたいなっていうのはあるんですけど。やっぱり瀬戸さんももっと上を目指してくると思うんで、瀬戸さん以上の目標を持ってアジア大会で金メダルを獲りたいです。

Q.金メダルですけどやっぱ、瀬戸選手と一緒に・・・
小方：そうですね、（瀬戸さんに）勝ってワンツーできたら最高なんですけど、今後の個人メドレーを引っ張っていく中でも、アジア大会ではしっかり勝ちたいなと思います。

■小方颯（おがた・そう）
2003年4月28日生まれ、身長173cm。神奈川県横浜市出身、日本大学2年。
4月の代表選考会 200m個人メドレーで瀬戸大也に次ぐ2位に入り、初の日本代表に選出。萩野公介の引退後、次世代の個人メドレーを担う選手。9月23日からのアジア大会にも出場。

【アジア大会公式】
X(旧Twitter)
TikTok