今年、競泳日本代表に初選出された大学2年生・小方颯(20、日本大学2年)。4月の代表選考会では、200m個人メドレーで瀬戸大也(29、CHARIS&Co.)に次ぐ2位に入り、代表の座を勝ち取った。8月に行われた世界選手権では、初出場で8位入賞。アジア大会(23~10月8日)では、WBC決勝ラウンド前の大谷翔平選手の名言「憧れるのをやめましょう」を胸に刻み、「瀬戸さんに勝ちたい」と意気込む。
Q.水泳を始めたのはいつですか。
小方颯:親の勧めで、5歳くらいから始めました。最初は多分無理やり行かされていたと思います。
Q.いつ頃から楽しくなった?
小方:選手コースに入ったのが小学1年生くらいで、その時には県大会とか学年で1位になるような選手だったので、その時から楽しいと感じるようになっていました。
Q.その時から代表への思いがあったんですか。
小方:そうですね。やっぱり小さい頃は北島康介さんとかを見て憧れがあったので、代表に入りたいという気持ちはありました。
Q.水泳以外にマイブームはありますか。
小方:WBCを観ました。準決勝で9回裏の最初のバッターが大谷翔平選手で、最初にツーベースを打ったんですが、その時打席に立つ顔が、目が鋭くて、これやばいんじゃないかなと思って。そしたら初球でいきなり打っていたので、そこがめちゃくちゃ印象に残ってます。WBCは侍ジャパンとして日本を代表して戦っている試合で、やっぱり代表に入ったからにはしっかり応援してもらえるような姿を頑張って見せたいと思います。
憧れの瀬戸大也は”超えなきゃいけない存在”
Q.瀬戸大也選手との出会いについて教えてください。
小方:初めて話しかけてくれたのが2020年の五輪イヤーの時だったと思います。2020年の2月に長野の東御で合宿所が一緒になったときに写真撮ってくださいって声かけて、そこからインスタを繋いでくれて。コロナで外出が出来なくなった時にも連絡をくれて、一緒に練習したりしました。連絡をくれるだけでうれしかったです。
Q.瀬戸選手はどんな存在ですか。
小方:今までの僕だったらすごく憧れていましたが、今は手が届く位置に来て、やっぱりもう憧れにしちゃいけないと思ったりとか、超えなきゃいけない存在だと思っている。もうそろそろ勝ちたいです。
Q.負けない部分はどんなところですか。
小方:総合的にみると瀬戸さんにはまだ全然敵わないんですけど、背泳ぎの泳ぎ方は自分でも自信がありますし、200mのラストではタッチ差でかわす強さは持ってると思います。
Q.瀬戸選手に言われて印象に残ってる言葉とか心に刻んだ言葉はありますか?
小方:一緒に合宿に行ってて、瀬戸さんが結構僕のことを見てたりしてくれていたんですけど。瀬戸さん自身と僕自身を比べた中で、僕は結構練習で、メリハリがある感じの練習で、瀬戸さんはこうずーっと右肩のぼりでやっていく練習なんで、「颯君の一発の出し方っていう、そのレースに近い感じの出し方がすごいいいな」って言ってくれて。それが結構嬉しかったです。
Q.「一発の出し方」は何か普段の練習で心がけているんですか?
小方:結構調整合宿とかもずっと一緒に行ったんで、ずっと「勝ちたいな勝ちたいな」と思ってて。自分のシナリオとしては(世界選手権の)準決勝で、瀬戸さんに勝って決勝に進むっていうことが目標だったので、それができたのは結構でかかったなと思います。
Q.初代表、日の丸の重みはどうですか。
小方:めちゃくちゃ格好良くて、でも代表権をとったからには本番しっかりやらなきゃいけないという自覚が芽生えてきました。