9月5日、兵庫県の山陽自動車道・尼子山トンネルで発生した車両火災により、現在も「下りの一部区間」で通行が出来なくなっています。

一般道に迂回する車が増え、岡山県内の国道でも渋滞が発生するなどの影響が出ています。

(松村みなみ記者 トンネル内リポート)
「こちら、最も損傷の激しかったエリアです。地面をみると真っ黒に焦げて、砂のようになっています。そして看板は、文字がほとんど見えなくなってしまっています。さらには、天井を見上げると、壁がはがれ落ちてしまっています」

兵庫県赤穂市を通る、山陽自動車道・下りの尼子山トンネルです。きょう(20日)報道陣に、車両火災の起きたトンネルの内部が公開されました。

この事故は9月5日午前1時頃、トンネル内で大型トラックが出火し、後続車に相次いで延焼したもので、火は約40時間にわたり燃え続けて計23台の車が焼けました。

火災の影響で、トンネル内部の壁など約400mが甚大な損傷を受け、車両の通行に危険が及ぶとして、NEXCO西日本では、尼子山トンネルの下りの前後の区間「播磨JCT~赤穂IC」を通行止めにしています。

(NEXCO西日本 姫路高速道路事務所 吉田英樹所長)
「壁が剥がれ落ちているようところが、数多く見られたと思います。車両がたくさんあった場所は少し損傷が激しい」

火災事故の影響で通行止めの続く山陽自動車道です。高速道路を使って岡山市街地や四国方面に向かうためには、迂回しなければなりません。

その場合、考えられるが龍野西ICで下車し、国道2号を経由して再度、備前ICから山陽自動車道を利用する方法です。

(四国地方に帰省中のドライバー)
「龍野ICから降りて下道しか通れないので…いつもより30分以上かかりますね」

迂回車両が増えることで懸念されるのが「一般道の渋滞」です。

国土交通省によりますと、迂回路となっている国道2号では、事故前から交通量が2倍に増えたということです。

(滋賀県から来たトラック運転手)
「トンネル通れず...渋滞多いから。国道2号も、岡山方面が一車線だからやっぱり混んでいるので。なかなかちょっと大変ですね」

NEXCO西日本では現在、トンネル内の壁の損傷程度を調査していて、復旧の目途は立っていません。

(NEXCO西日本 姫路高速道路事務所 吉田英樹所長)
「一日もはやい復旧を目指して、関係機関と連携して対応をすすめていきたい」

人々の移動や物流を支える大動脈として、一日も早い復旧が待たれています。

【解説】
山陽自動車道で続く通行止めの問題ですが、迂回路としてNEXCO西日本では「国道の利用」とあわせて、ご覧のように「播磨JCTから中国自動車道などを利用した迂回方法」を呼びかけています。

迂回により所要時間は約1時間多くかかるということですが、山陽自動車道の利用時と料金を同じにして利用を呼びかけています。