静岡県袋井市の企業が「磁石」の力を新しいエネルギー源に活用しようという脱炭素に向けた新たな取り組みを紹介します。
<クラウンメロン支所 鈴木陽介さん>
「こちらがクラウンメロンを作ってる温室。各ベッドの隣にパイプがはってあって、こちらのパイプの中に温かいお湯を流して、温室の中を温める仕組みになっている」
袋井市の特産品で、きれいな網目と濃厚な甘みが特徴の「クラウンメロン」。栽培には、温室が欠かせませんが、生産者はいま、ある問題を抱えています。
<クラウンメロン支所 鈴木陽介さん>
「お湯を作るのに主には重油を使っていて、昨今重油が値上がりしているのは、われわれにとっては問題と捉えている」
燃料費だけでなく、二酸化炭素の排出を抑えることができるエネルギーはないのか。こうした問題を解決しようと袋井市の企業が動き出しました。
<TSK 窪野茂専務>
「いま、沸騰しているが、これを温めているのが磁石」
袋井市の商社「TSK」が開発したのが「MAG HEAT(マグヒート)」です。なんと、磁石で熱を生み出すことができます。
<TSK 窪野茂専務>
「ここに磁石がついた円盤があってこの磁石が回転している」
「MAG HEAT」の仕組みはこうです。
①強い磁石をつけた板をモーターで回転させます。
②すると、金属の内部に電気が発生します。
③発生した電気は流れようとしますが、金属の中に内部抵抗が生まれ、熱が発生するということです。
「MAG HEAT」は消費電力が少なく、二酸化炭素を発生させないのが特徴で、環境にやさしいエネルギー技術です。地元のメロンの栽培にも「MAG HEAT」が活用できるとして期待を寄せています。
<クラウンメロン支所 鈴木陽介さん>
「重油の使用量を削減につながるのではないかなという期待はある。既存の設備に代わるものであれば、われわれも助かる話ではないかと期待している」
今後は県西部で盛んな自動車産業や地元の農家とも連携して、広めていきたいとしています。
<TSK 窪野茂専務>
「地球温暖化ガスを減らしていくという努力をみなさんしていかなければならない。『MAG HEAT』のような地球温暖化ガスを発生させないような装置を導入していく必要があると考えている」
脱炭素社会に向け、「化石燃料」から「磁石燃料」へ。新たなエネルギー源として「磁石」の力に注目が集まっています。
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