ネコがメロメロになってしまうマタタビ。ことわざ「ネコにマタタビ」を辞書で調べてみると、「大好物、または効果があることの例え」。でも、なぜネコがマタタビを好きなのかは、実はよく分かっていませんでした。その謎がついに解明されました。ネコとマタタビの関係に新展開です。


■「ネコにマタタビ」蚊を遠ざける効果

ネコがマタタビを好む理由、その秘密は葉っぱにありました。2021年1月、岩手大学・名古屋大学・イギリスのリバプール大学の研究チームは、ネコがマタタビを好むのは、マタタビに含まれる成分が、蚊を遠ざけるためということを発表しました。ただこの段階では、マタタビをなめたり噛んだりするという行動自体は謎に包まれていました。

6月13日、岩手大学農学部の宮崎雅雄教授、博士課程の上野山怜子さんが「マタタビを噛んだりするのは、マタタビから出る成分の比率を変えることで、蚊を遠ざける効果を高めるため」と発表しました。


■ネコがマタタビを噛むと“蚊よけ成分”の放出量が増加

マタタビの葉には
▼ネペタラクトール(蚊よけ効果のある成分)
▼マタタビラクトン(猫が酔ったような反応を示す成分)
の2つの成分が含まれています。


傷がない葉から出る成分は、9割以上が「蚊よけ効果のある成分」です。ネコが噛んだりなめたりして傷をつけると、10倍以上放出量が増え、さらに2つの成分の比率も変わり、マタタビラクトン(酔ったような反応を示す成分)の方が割合が増えます。

傷がつくと、マタタビがネコを引き寄せる効果が高まる
➡ネコが葉っぱに体を擦り付ける時間が増える
➡蚊よけ効果のネペタラクトールが、よりネコに多く付着する
結果として、蚊よけ効果は傷ついた状態の方が高くなると分かりました。

岩手大学農学部 宮崎雅雄教授によると「ネコが蚊の忌避成分を効果的に利用できるように、巧みに進化した結果ではないか」ということです。

恵俊彰:
でもよく聞いていくと、なんかネコは本当はちょっと酔いたいのかなって。ちょっと疲れもたまってるし、忘れたいことがあるのかな、とかね。


弁護士 八代英輝:  
グラフの円が大きくなっているところに意味があるんですよね。全体の比率としては酔いたい気分が大きくなるんだけど、結果的に蚊を遠ざける成分も多くなる。噛むのは、ちょっと忘れたいことがあるのかなって思ったんですけど、体を擦りつけるのは蚊を遠ざけるためなのかもしれないな。

コメンテーター 中川翔子:
意外ですね。ネコにとって蚊を遠ざけることってそんなに「ラッキー!」ってなることだって。テンション爆上がりしてるように見えますよね。

落語家 立川志らく:
ネコは蚊のことなんてあんまり考えてないでしょ、家猫はね。だって家の中はそうは蚊は入ってこないから。本能がそういうふうになっていると言われれば、なるほどとは思うんだけれども。家ではマタタビを葉っぱであげたことはあまりない。マタタビの粉を爪とぎ器にかけておくと研ぐけど、最近そこまで喜ばないですね。

恵俊彰:
ちょっと変化しているところはあるかもしれませんね、家で飼われて。


今後の研究について岩手大学のお2人は、
▼イヌも蚊に刺されるのになんでネコ科の動物だけ反応するのか?
▼マタタビに反応しないネコがいるのはなぜなのか?
といった謎の解明を続けていくと話しています。