台風13号に伴う福島県浜通りの記録的な豪雨から15日で1週間です。被害が集中したいわき市では、いまも、懸命な復旧作業が行われています。水津邦治アナウンサーの報告です。
いわき市のなかでも、浸水被害が集中した内郷地区です。氾濫した宮川では、住民が「川が増水して氾濫するまではあっという間だった」ということです。いまもその爪痕が残っています。
すぐ近くの住宅も床上浸水の被害が出ています。いわき市では、多くの川が氾濫しました。きょう現在で1棟が全壊、1200棟あまりが床上まで水に浸かる被害が出ました。
そして、すぐ近くにあるのが「宮小学校」です。水は校舎の中にまで流れ込み、大きな被害が出ました。いまだに休校が続いています。
泥だらけになった廊下。今月12日の宮小学校です。記録的な大雨で、床上およそ1メートルの高さまで浸水し泥水は校舎の中まで入りました。
【記者】「大雨でこの高さまで水が上がったということです。水に浸かった本や辞書などが放置されたままになっています」
この日は保護者たちが、泥だらけになった備品を洗う作業を行っていました。
今月8日、浜通りでは、台風13号に伴う線状降水帯で記録的な豪雨となりました。いわき市では複数の川が氾濫し、60代の男性が1人死亡。1000棟を超える床上浸水の被害が出ました。
また、堤防が決壊するなど川の水があふれた影響で水田で少なくとも700アールで被害が出ました。そして、豪雨被害の発生から1週間を迎えた15日、内郷地区では、いまだに道路沿いには災害ごみが山積みに。朝から、住民が泥のかき出しなどを行っていました。
【住民】「ちょっと腰が痛い。疲れが出てきました」
休校が続いている宮小学校でも、自宅も被災した大勢の保護者たちが連日、片付け作業を行っていました。泥まみれになった子どもたちの傘を一本一本、きれいに洗っていました。
【小学生の保護者】「子どもが初めて学校を見たときに、すごくショックを受けていて。少しでも1日でも早く復旧出来たらなと」
【2年生の児童】「作業をしてくれてうれしいです」
宮小学校は、床の張り替えなど復旧までおよそ1か月かかることから、連休明けの9日から、内郷第二中学校の校舎を借りて授業が再開することが決まりました。
【宮小学校・遠藤謙一校長】「色々と怖い思いをしましたが、また19日から一緒に頑張りましょう、待っていますと、子どもたちに伝えたい」
氾濫した宮川のすぐ近くの住宅に来ました。家の外には運び出された畳や家財道具などが山積みになっています。
この内郷地区には、このようにまだ家屋から出た災害ごみが運びきれていない状況がかなり多く見受けられます。
泥出しの作業や畳を出す作業には多くの人手が必要です。高齢の方も多く、被災した方々の疲労は1週間でピークに達しつつあります。
ありがとうございました。いわき市では、ボランティアが足りないため、あすからの3日間を「ボランティア活動集中期間」としてボランティアを募集し、被災家屋の片づけに力を入れることにしています。以上、いわき市から中継でした。