映画「悪は存在しない」で、ベネチア国際映画祭の、最高賞に次ぐ銀獅子賞(審査員大賞)を受賞した、濱口竜介監督が都内で会見を行いました。

濱口竜介監督




濱口監督は2021年に「偶然と想像」でドイツのベルリン映画祭の銀熊賞(審査員大賞)を受賞。同年「ドライブ・マイ・カー」でフランスのカンヌ映画祭の脚本賞を受賞していて、今回を合わせると、世界三大映画祭すべてで受賞したことになります。(「ドライブ・マイ・カー」は2022年の米アカデミー賞でも国際長篇映画賞を受賞しています)
三大映画祭のすべてのコンペティション部門で賞を獲得したのは、日本では黒澤明監督以来、2人目です。

大美賀均さん・濱口竜介監督



今回の映画に対し、報道陣からは「今回の映画が(企画・音楽)の石橋英子さんの音楽から『パフォーマンスの映像を撮るために始まって、映画になった』という情報を伺って、魔法のような、とてもスゴイ事が起きたように私は感じているんですけれども、具体的には、石橋さんのアイデアの中に『ストーリー』があったのか、それとも音楽を聴いて、濱口さんの中にあった『社会への問題意識』が溢れ出たのか、具体的なプロセスをお伺いできれば」という質問が。

濱口竜介監督




濱口監督は「仰る通り、摩訶不思議な始まり方をしている映画ではあります。一番最初は2年前に石橋英子さんから、『ライブパフォーマンス用の映像をつくって欲しい』という依頼だけがありました。『内容はどのようなモノでも良い』ということで始まって、1年ぐらいやり取りをしました。そうは言っても、『何か石橋さんが求めていらっしゃる映像があるのではないか』と思って、自分としても何か『腹の探り合い』みたいな局面もあったと思うんですけれど」と話しました。

続けて、「1年ぐらい前に、ようやく本当に石橋さんは、『私が作る物語であったり、映画であれば、何でも受け入れてくれる用意があるんだな』ということが分かって、ようやく映画づくりの軸が定まってきました」と、明かしました。

大美賀均さん・濱口竜介監督




そして、濱口監督は「テーマソングというのは、石橋さんが実際の映像を観て作って頂いたモノです。そうやって(石橋さんと)音楽と映像を、実際に具体的にやり取りしながら、それが『手紙のやり取り』のようにして、最終的に1つの作品になっていったという感じでした。自分にとって本当に『音楽的にセッションしているような』そういう感覚で進められて。それは本当に自分にとっては、得がたい体験だったと思います。」と、映画制作のエピソードを語りました。


【担当:芸能情報ステーション】