北朝鮮による拉致の可能性が指摘されている特定失踪者・新潟県長岡市の中村三奈子さんが、行方不明になってから25年たちます。
【中村クニさん】
「25年前から親として当たり前のことをして、いなくなった娘を探してきました」
特定失踪者と拉致問題について理解を深めてもらおうと、10日に長岡市で開かれた市民集会には、25年の間ずっと娘を探し続けている中村クニさんが、娘と会えない長い年月を振り返り、思いを語りました。
【中村クニさん】
「自分の娘が拉致被害にあったというのは、なかなか受け止められなかった」
1998年、当時18歳だった中村三奈子さんは、予備校の入学金を納めるために自宅を出たまま戻らず、行方が分からなくなりました。
翌日に新潟空港から韓国へ出国した記録が見つかりましたが、不自然な点が多く、北朝鮮による拉致の可能性が指摘されています。

失踪から今年で25年。
母・クニさんは80歳になりました。
【中村クニさん】
「長く活動できないとか、動くのが大変だなとか、そういうようなことを今年に入ってから感じるようになりました」

クニさんの元には去年、「似た人物を見た」という韓国からの目撃情報が寄せられ、韓国の警察も捜査したということですが、再会にはつながりませんでした。
【中村クニさん】
「タンスあけると、季節が変わっているのにそのままになっていたり、小さいころの洋服ばっかしで…。大人っぽい洋服なんかもないですし、全てが昔のまま。娘の情報があったら本当にどんなことでもいいので教えてほしいと思う」

クニさんは、三奈子さんの無事を願い再会を待ち続けます。